古都華から大和牛まで!日本最古の都・奈良県が誇る特産物

紀伊半島の内陸部に位置し、関西の主要都市である大阪や京都にも近い奈良県は、豊かな自然環境を生かして、伝統野菜を始めとする希少性の高い野菜から、全国的に有名な果物まで魅力的な農産物が数多く生産されています。

さらに県中央部を流れる紀の川などで行われる河川漁業ではアユやアマゴといった魚が獲れ、奈良の緑豊かな環境下では黒毛和牛や三元豚、鶏といった畜産物も盛んに育てられており、ブランド化しているものも多くあります。

奈良県の食材には全国的に有名になれそうなポテンシャルを秘めているものも多くありますが、実際に奈良県の食材を関西以外の地域で販売するにはどうしたらいいでしょうか。

ここでは、遠方の関東以北や九州・四国などの飲食店での新規開拓について考えていきましょう。

奈良県で有名な野菜とは?

奈良県で有名な野菜とは?

豊かな自然に恵まれた奈良県では、標高の高い大和高原地域で生産されるトマトや、温暖な気候を生かして栽培されるナスなど、多種類の野菜が生産されており、日本最古の都である奈良県ならではの伝統野菜も充実しています。

その中から、奈良県を代表する有名な野菜をご紹介します。

代々受け継がれてきた奈良の伝統野菜「大和まな」

奈良県で古くから食べられている伝統野菜のうちの一つである「大和まな」は、漬け菜と呼ばれる種類のアブラナ科野菜で、古事記に記載されている「菘菜」をルーツに持つと言われ、奈良県の地元ゆかりの特産品であることを認定する「大和野菜」にも登録されています。

「大和まな」は栽培がしやすく、味も美味しいことから代々受け継がれ、大切に栽培されてきましたが、収穫後は葉が黄変しやすく日持ちしないという課題があり、主に地元のみで消費されていました。

しかし、2009年に奈良県農業総合センターを中心とする産官学共同研究によって、葉が黄化しにくい新品種の開発に成功し、現在は様々な地域に出荷されています。

「大和まな」は主に12月から2月にかけて収穫されますが、夏に収穫される品種も登場しています。冬に収穫される品種は甘みが増して美味しく、夏に収穫される品種はピリッとした辛味が特徴となっており、季節によって異なる味わいを堪能できます。

おせちでも人気の奈良を代表する根菜「筒井れんこん」

おせちでも人気の奈良を代表する根菜「筒井れんこん」

奈良県大和郡山市筒井町の伝統野菜として高い人気を誇るのが「筒井れんこん」です。

奈良県では、奈良時代かられんこんが食べられていたという記録が残っています。筒井町では筒井城の城跡やその周辺に豊富な地下水があり、また、粘土質の湿地帯であることから、れんこんの栽培に適した環境があり、古くから盛んにれんこんが生産されてきました。

「筒井れんこん」は粘りが少なく、シャリシャリとした食感と甘味があるのが特徴で、意外に感じられるかもしれませんが、ビタミンCが豊富に含まれています。食感とビタミンCを生かして、生のまま薄切りにし、サラダにするのもおすすめです。

「筒井れんこん」は古くから奈良県で食べられるおせち料理を代表する食材として親しまれ、年末になると地元ではおせち用に購入する人が殺到することでも有名で、他にも天ぷらやきんぴら、煮物にしても美味しく食べることができます。

奈良漬けには欠かせない「大和三尺きゅうり」

奈良漬けには欠かせない「大和三尺きゅうり」

奈良の伝統野菜の一つであり、さらに奈良を代表する漬物として有名な「奈良漬け」に使用する食材の一つとして知られているのが「大和三尺きゅうり」です。

「大和三尺きゅうり」は35cm前後の長尺タイプのきゅうりで、一説によると明治時代に現在の奈良市である大柳生村で、「台湾毛馬」「白皮三尺」「北京」という品種を交配育種して誕生したと言われています。

現在「大和三尺きゅうり」は、主に奈良漬け用として契約栽培されており、ほとんどが漬け物に加工されて販売されていますが、しっかりとした歯切れがあるので生食や、巻き寿司に使用しても美味しく食べることができます。

「大和まな」「筒井れんこん」「大和三尺きゅうり」のような奈良県の伝統野菜を扱っており、今後、全国の飲食店に売り込んでいく際には、各地の伝統野菜を仕入れている日本料理店や割烹、料亭などをターゲットに、おすすめの調理方法やメニューのアイデアを提案しながら、こだわりの栽培方法や食材の歴史をアピールしていくといいでしょう。

奈良県で今注目の果物とは?

奈良県で今注目の果物とは?

奈良県はイチゴや柿などの果物の栽培が盛んに行われており、中でもハウス栽培で生産される柿の生産量は日本一を誇ります。

その中から、今注目の奈良県産果物をご紹介します。

奈良県オリジナル品種のいちご「古都華」

奈良県オリジナル品種のいちご「古都華」

奈良県にはいくつかのオリジナル品種のいちごがありますが、中でも高い注目度を誇るのが「古都華(ことか)」です。

「古都華」は奈良県農業総合センターが「7-3-1」と「紅ほっぺ」を交配して作出した品種で、2011年に品種登録されました。

「古都華」は一般的ないちごよりも糖度が高いことから、そのまま食べるのがおすすめで、さらに程よい酸味もあるので、ジャムなどに加工しても美味しく食べることができます。

都・奈良を飾る新しい「華」になってほしいという想いから、公募で名付けられた「古都華」は、その名の通り、宝石のように輝くルビー色の果皮が特徴となっており、味だけでなく、見た目も美しいことから贈答品としても人気となっています。

枝変わりによって生まれた「刀根早生」

枝変わりによって生まれた「刀根早生」

奈良県で発見された品種として有名な果物が「刀根早生(とねわせ)」という柿です。

「刀根早生」は1959年に奈良県に上陸した伊勢湾台風の際に折れてしまった平核無柿の枝を若木に接木して育成したところ、通常の平核無柿よりも早く実をつける柿が誕生し、その後、新品種として正式に登録されることになります。

早生種である「刀根早生」は、平核無柿よりも10日から15日ほど早く収穫されるので、市場に出回るのが早く、毎年9月下旬頃から収穫が始まります。

「刀根早生」は渋柿ですが、渋抜きをしてから出荷をするので甘く、食べやすくなっており、強めの甘さとみずみずしい果汁を堪能することができます。

絶滅危惧種の柑橘「大和橘」

奈良県で栽培されている果物の中でも歴史が長く、極めて希少価値の高い果物として知られているのが「大和橘(やまとたちばな)」です。

「大和橘」は日本固有の原種の柑橘で、「万葉集」や「古事記」にも登場する日本最古の柑橘と言われており、見た目はみかんに近いですが、直径は3~4cmほどと柑橘類の中でも小ぶりとなっています。

「大和橘」は戦後、木炭などに使うため伐採が行われたことで、絶滅危惧種に指定されています。野生の橘の木は300本まで減少しましたが、近年「なら橘プロジェクト推進協議会」による積極的な植樹活動が行われており、「大和橘」を次世代につないでいくための取り組みが行われています。

「大和橘」は甘さ控えめで、酸味と苦みがほどよくあり、生で食べるだけでなく、料理にも使用できます。さらに近年では「大和橘」を多くの人に知ってもらうために、ジャムや胡椒といった様々な加工品も販売されています。

奈良県の果物は歴史があるものや話題性が高いものが多くあります。「古都華」「刀根早生」「大和橘」のような奈良県で生産されている果物を全国の飲食店に売り込んでいくには、栽培技術や一般的な品種との違いなどブランドの特長をしっかりと打ち出しながら、全国の希少な果物を仕入れているフルーツパーラーでのスイーツ需要にアピールしたり、近年増えている、質の良い果物を厳選して使用しているジューススタンドやカフェなどに売り込んだりしていくことで興味を持ってもらえることでしょう。

奈良県のご当地水産物

奈良県のご当地水産物

海に面していない奈良県では主に河川漁業が行われています。

そんな奈良県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。

奈良県を代表する淡水魚「鮎」

奈良県内を流れる紀の川、新宮川、淀川、大和川の4つの水系の河川は淡水魚の宝庫として知られていますが、中でも奈良県の河川に生息している代表的な魚が「鮎」です。

奈良県の全漁獲量の約50%を占める「鮎」は、紀の川水系の河川の上流域や県南部を南流する新宮川水系の河川を中心に漁業が盛んに行われており、水産資源を維持するために県内のダム湖で自然ふ化した稚鮎の放流も定期的に行われています。

県内の河川で獲れる鮎は上質なコケを食べて育つことから、風味が良く、評価が高いです。塩焼きやソテー、揚げ物など、幅広い料理に取り入れることができます。

郷土料理にも使われる渓流の女王「アマゴ」

奈良県では県内の清流や溜池を活用して魚の養殖が行われていますが、中でも奈良を代表する養殖魚として有名なのが「アマゴ」の養殖です。

「アマゴ」は体長20cmほどの魚で、体色が美しいことから「渓流の女王」とも呼ばれています。

県南部の吉野郡や県北東部の宇陀郡の清流で主に養殖が行われており、年間約19トン以上の「アマゴ」が生産されています。

「アマゴ」は川魚の中でもクセが少ないことから、塩焼きなどのシンプルな味付けの料理にも適しており、さらに加工品として売られている「あまごの甘露煮」は奈良県の郷土料理としても有名です。

「鮎」「アマゴ」といった奈良県の水産物を全国の飲食店に売り込んでいくには、淡水魚を用いた料理を多く提供している飲食店をターゲットに絞り、味の美味しさに加えて、奈良県の川は水が綺麗で生物が住みやすい環境があり、魚が美味しく育つことなどをアピールしていくと良いでしょう。

奈良県で人気のある畜産物

奈良県で人気のある畜産物

奈良県には広い地域に畜産農家が点在しており、近年では奈良の畜産業のさらなる発展に向けて、畜産のブランド化などの取り組みが行われています。

その中から、奈良県の人気の畜産物をご紹介しましょう。

大和国・奈良を代表する銘柄牛「大和牛」

奈良県で生産されている畜産物の中でも、歴史のある大和畜産ブランドとして展開されているのが「大和牛」です。

「大和牛」は2003年よりスタートしたブランドで、「大和牛」と名乗るには奈良県内で飼育されている黒毛和種であり、さらに県内で14ヶ月以上飼育された未経産雌牛であることなど、厳しい基準を満たす必要があります。

「大和牛」はサシが入った霜降りと弾力のある肉質が特徴で、不飽和脂肪酸である「オレイン酸」が豊富に含まれているため、肉の風味や脂の口どけが良く、上質な黒毛和種ならではの旨味を堪能することができます。

飼料にこだわった奈良オリジナル銘柄豚「ヤマトポーク」

大和牛とともに大和畜産ブランドとして展開されている、奈良県の銘柄豚が「ヤマトポーク」です。

「ヤマトポーク」は繁殖能力に優れた大ヨークシャー種のオスとランドレース種のメスを交配させて生まれたメスの子に、肉質が優れたデュロック種のオスを交配した三元豚で、2008年に奈良県産銘柄豚として承認されました。

「ヤマトポーク」は穀類をベースに菓子粉やパン粉を配合したオリジナルの飼料を与えて育てられています。肉の臭みの原因となる動物性原料は一切使用されません。出荷されるまでの6か月間は、体の大きさに応じて豚舎を変えるなど、ストレスを感じないように成長過程に合わせた飼育が行われています。

ジューシーで柔らかな肉質と色鮮やかな赤身を持つ「ヤマトポーク」は、しゃぶしゃぶからとんかつ、生姜焼きなど様々な料理に使えます。料理人からの評価も高く、地元を中心に関西圏の多くの飲食店でも使用されています。

奈良県唯一のブランド卵「大和なでしこ卵」

奈良県唯一のブランド卵「大和なでしこ卵」

奈良県で生まれた唯一のブランド卵として、今注目を集めているのが「大和なでしこ卵」です。

「大和なでしこ卵」は、生後14ヵ月以下の若い親鶏から産まれた卵で、2008年よりブランド展開がスタートし、奈良県ならではのネーミングである「大和なでしこ卵」という名は、一般公募にて選ばれました。

消毒や鶏インフルエンザ対策を徹底しながらも、自然に近い環境の鶏舎でストレスフリーに育てられており、飼料には卵の生臭さを軽減させるために奈良県の特産品である「大和茶」の粉末を配合しています。さらに、コクのある味わいを出すために魚油も加えられています。

「大和なでしこ卵」はピンクがかった殻の色が特徴で、不飽和脂肪酸の一種であるDHAは一般的な卵の約2.5倍も含まれているなど栄養価も高く、通常の卵だけでなく、温泉卵も発売されています。

「大和牛」「ヤマトポーク」「大和なでしこ卵」のような奈良県独自の畜産物を扱っている場合、全国の飲食店に売り込んでいく際には、全国の特産品を使ったメニューを豊富に展開している飲食店などにターゲットを絞るとよいでしょう。相手が興味を持ちそうな情報を交えながら、飼育環境や美味しさの理由、おすすめの料理、そしてブランドが誕生するまでの経緯などを積極的にアピールしていきましょう。

まとめ

まとめ

奈良県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには、以下の2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。

①全国の特産品や希少価値の高い食材など、厳選した食材を積極的に使用する飲食店にターゲットを絞る。
②おすすめの調理方法やメニューのアイデアを提案しながら売り込んでいく。

奈良県は伝統野菜など、歴史のある希少性の高い食材が充実しており、ブランド化して日が浅く、認知度があまりない食材に関しても、今後、全国の飲食店に販路開拓していける余地があると言えます。「奈良」「大和」という古くからのブランドは全国的に周知されているという利点があるので、そこは積極的に利用していきましょう。

奈良県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうためには、まずは歴史ある土地としての「大和ブランド」を利用し、県産食材の認知度をUPさせて、販路開拓していきましょう。

監修者

アートアンドヘルスケア株式会社 代表取締役 森下浩隆(もりしたひろたか)

アートアンドヘルスケア株式会社

代表取締役 森下もりした浩隆ひろたか-Morishita Hirotaka-

『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。

 
BtoB eSmart

foods業界BtoBサイトシェアNo.1の
実績を持つインフォマートが運営しています。

掲載商品数
10万点以上

ECサイト

(WEB・アプリ)

\今なら/
新規会員登録で

1000 P
プレゼント

+SNSフォローで
お得情報をゲット!

「業務用食材」「備品・資材」
簡単購入・まとめ払い!!

業務用通販サイトBtoB eSmart
無料会員登録

詳細はこちら