いちじくから養殖サーモンまで、【広島県】は温暖な気候を活かした特産物が魅力!
中国地方に位置する広島県は南部に瀬戸内海、北部は中国山地に面しており、海の幸だけでなく山の幸にも恵まれた地域として知られています。
平野や丘陵地では野菜や果物が育てられ、酪農や畜産が盛んに行われており、そして瀬戸内海には様々な種類の魚介類が生息し、漁業が活発に行われています。
広島県の食材はどれも品質が高く、全国区を目指していけるポテンシャルを秘めていますが、広島県独自の食材を全国の飲食店に売り込んでいくには、何から始めればいいのでしょうか。
今まで販売をしたことのなかった、遠方での新規開拓について考えてみましょう。
広島県で有名な野菜とは?
広島県は沿岸に工業都市を抱えながらも、自然環境も豊かに残されており、多様な自然条件を生かして様々な農産物を生産しています。
その中から、広島県を代表する有名な野菜をご紹介します。
広島を代表する野菜「広島菜」
広島県ではその季節にしか味わうことのできない、限られた期間にのみ生産される農産物がありますが、中でも広島県を代表する冬の味覚として愛されているのが白菜の一種である「広島菜」です。
「広島菜」の歴史は古く、安土桃山時代から江戸時代を跨ぐ慶長2年に、広島藩主が「観音寺白菜」という品種を京都から持ち帰って栽培したのが始まりと言われています。
毎年11月から2月にかけて収穫の最盛期を迎える「広島菜」は主に漬物に使われており、広島菜を使って作られる「広島菜漬け」は、信州の野沢菜漬け,九州の高菜漬けに続く、日本三大菜漬けの一つでもあります。
広島菜漬けはそのままで食べるだけでなく、おむすびやだし巻き卵など、アレンジして楽しむこともできます。
近年では「ミニ広島菜」という品種が登場しており、通常の「広島菜」よりも収穫時期を早めることで葉や茎が柔らかい状態で出荷できるため、サラダや炒め物などの用途にも適しています。
安佐南区のご当地野菜「笹木三月子大根」
広島市の中央部に位置する安佐南区でのみ生産されており、広島の伝統野菜として親しまれているのが「笹木三月子大根(ささきさんがつこだいこん)」と呼ばれる大根です。
「笹木三月子大根」は、ほんのりとした甘味の「聖護院大根」と、毎年春に収穫される「三月子大根」を交配した品種です。
「笹木三月子大根」は、昭和30年代に安佐南区に住む笹木さんという方が春先まで生産できる大根を生産したいとの想いから生まれました。一時期生産数が減少していましたが、安佐南区の複数の農家が協力して復興し、再び盛んに生産が行われるようになり、近年、地元で開かれる野菜市では毎回即完売してしまうほどの人気を博しています。
「笹木三月子大根」は通常の野菜よりも甘みがあり、水分が少なく緻密な肉質なので、天ぷらや大根ステーキなど幅広い料理に使うことができます。
70年間大切に引き継がれている「祇園パセリ」
広島県のみで生産されている品種の野菜の中でも、全国的に珍しい品種として人気を集めているのが「祇園パセリ」です。
「祇園パセリ」は戦前から現西区観音地区で栽培していたパセリの種を祇園地区に持ち込み、栽培をスタートしたのが最初だと言われ、現在は武田山の麓で栽培をしています。
各農家がパセリから取った優良な種を選別して70年もの間、代々引き継いでおり、長年の努力の積み重ねの末、風味が良く、柔らかいパセリが完成しました。
「祇園パセリ」は全国でも希少な細かな葉形を持つパセリで、葉だけでなく茎も美味しく食べられることから、和え物やサラダにも使用することが可能です。
「広島菜」「笹木三月子大根」「祇園パセリ」のような古くから広島県で栽培されている野菜を全国に向けて売り込んでいくには、栽培が始まった経緯や美味しい食べ方など買い手が興味を引くようなエピソードを交えてアピールしていくといいでしょう。
広島県で今注目の果物とは?
年間を通して穏やかな気候である広島県では、各所で様々な種類の果物を生産しており、一大産地として全国的に有名な果物も少なくありません。
その中から、今注目の広島県産の果物をご紹介します。
天皇陛下にも献上された「古江いちじく」
広島県には、県内でのみ栽培されているブランド果物がいくつかありますが、その内の一つが古江地区で栽培されている「古江いちじく」です。
いちじく栽培に適している土地が多くある古江地区は、江戸時代後期にはいちじくの一大産地となっていたと言われています。ブランド果物の「古江いちじく」は大正時代から栽培がスタートし、100年以上の間、広島県の名産品として愛され続けています。
「古江いちじく」は、過去には海外に輸出されたこともあるなど、国内外で注目を集めており、さらに天皇陛下の広島行幸の際に、この「古江いちじく」が献上されたという輝かしい実績もあります。
「古江いちじく」は皮が薄く、甘みが強い「蓬莱柿」という品種で、毎年9月から10月にかけて旬を迎え、贈答品としても高い人気を誇っています。
江戸時代から続く稀少種「祇園坊柿」
広島県の高級果物として根強い人気を誇っているのが「祇園坊柿」です。
「祇園坊柿」は現在の広島県南区祇園にある祇園坊(’現在の安神社)という寺の住職が最初に発見した品種で、柿の形が社僧の丸い頭に似ていることから、祇園坊と名が付いたと言われています。
広島県の柿は四方に溝のある変わった形をした「西条柿」という品種も人気がありますが、「祇園坊柿」は「西条柿」と同様に肉質が緻密で、さっぱりとした上品な甘さを楽しむことができます。
「祇園坊柿」の干し柿は贈答用としても人気が高く、さらに最近では長期保存ができる真空パックで包装した「あおし柿」も販売しており、干し柿とあおし柿を比較して楽しむことも可能です。
関連商品も大人気の「瀬戸内広島レモン」
広島県はレモンの全国シェア60%を占めるなどレモンの生産地としても有名で、県内で栽培されたレモンは「瀬戸内広島レモン」というブランドで売り出されています。
これまで、広島県が全国一のレモンの産地であることはほとんど知られていませんでしたが、ブランド展開をスタートしたことで徐々に浸透するようになり、最近では「瀬戸内広島レモン」を使ったお菓子や調味料等の様々な商品も人気があります。
「瀬戸内広島レモン」は外国産の一般的なレモンのように防腐剤やワックスを使用していないため、皮ごと安心して食べることが可能で、さらに外国産よりも糖度が平均して高く、レモン本来のフレッシュ感と美味しさを堪能することができます。
「古江いちじく」「祇園坊柿」「瀬戸内広島レモン」のような歴史があり、地元民から長年親しまれている果物を売り込んでいく際には、恵まれた栽培環境があることや、外国産との違い、さらに人気の加工品などの商品と併せて紹介していくことで興味をもってもらえることでしょう。
広島県のご当地水産物
広島県では南岸に広がる瀬戸内海の広島湾を中心に、県内5つの湾灘で様々な漁船漁業や養殖が行われています。
そんな広島県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。
広島県の川と海の恵みで育った「広島サーモン」
養殖漁業が盛んな広島県で、今最も注目を集めているのが「広島サーモン」です。
「広島サーモン」はニジマスを人工的に改良し、海水を用いて養殖されたトラウトサーモンという品種をブランド化したもので、2014年より販売がスタートしました。
「広島サーモン」は、稚魚の多くが海へ下るという習性を活かしした養殖システムによって生産されており、県内の清流に生息する親魚から採卵された稚魚を2年かけて淡水で育成し、その後は海水馴致という作業を行い、大きくなるまで瀬戸内海の海面近くで育てられます。
このように独自の方法で手間暇かけて育てることで、「広島サーモン」は、一般的な方法で養殖するよりも大きく育ち、肉質が良く、しっかりとした食感を味わえる高品質なサーモンとして提供されています。
好環境で美味しく育った「三原やっさタコ」
三原沖に面している広島県三原市のオリジナルブランド水産物として人気を集めているのが「三原やっさタコ」です。
三原市では江戸時代の頃からタコ漁が盛んに行われており、三原で獲れるタコの美味しさを国内外の人々に知ってもらうために、2014年より「三原やっさタコ」という名でブランド展開がスタートしました。
三原近海は適度な岩場が沢山あり、タコの住処に適した環境がありますが、潮の流れが早く、タコは岩場に張り付かなければ流されてしまうことから、このような環境で育つタコは他の地域に生息するタコよりも足が太くなり、身が引き締まるようになります。
「三原やっさタコ」は味が濃く、ぷりぷりとした歯ごたえがあり、地元の飲食店ではタコ酢やタコのたたき等の「三原やっさタコ」を使った様々な料理が提供されており、地元民と観光客双方から人気を集めています。
一粒一粒大切に育てられる「かき小町」
広島県では牡蠣の養殖が盛んに行われており、生産量は全国1位を誇ります。
そんな広島県では「かき小町」と呼ばれるオリジナルの牡蠣ブランドを展開しています。
「かき小町」は広島県栽培漁業協会と広島県水産海洋センターが開発した牡蠣で、品種改良によって通常のかきの1.5倍の大きさがあり、夏でも身痩せしにくい性質を持ち合わせています。
「かき小町」は牡蠣の成長に合わせ、成育用のかごの網目や種類を入れ替えて一粒ずつ丁寧に育成されており、こうすることで下殻に丸みを帯びるようになり、身入りが良く、濃厚な味わいをもつ牡蠣に育っていきます。
「広島サーモン」「三原やっさタコ」「かき小町」のような質の高いオリジナルのブランド水産物を扱っており、今後、全国の飲食店に販路開拓していきたい場合、店のコンセプトやターゲットの顧客層を見極めて、積極的に新しい食材を探していそうな飲食店に向けて営業していくといいでしょう。
広島県で人気のある畜産物
広島県は広島県産和牛を始め、様々な地域で畜産業が行われており、中でも鶏卵は全国第4位の生産量を誇ります。
その中から、人気の畜産物をご紹介しましょう。
広島県の幻の和牛「比婆牛」
広島にいくつかあるブランド和牛の中でも、幻の和牛と言われているのが「比婆牛」です。
「比婆牛」は広島県北東部の庄原市で育てられた肉質等級3等級以上の広島和牛のブランドで、江戸時代から伝わる優れた和牛の系統群である岩倉蔓をルーツに、様々な系統牛と交配を繰り返して誕生しました。
牛肉の美味しさは脂の口溶けのよさにもあり、これは不飽和脂肪酸の一つであるオレイン酸の含有量が関係していると言われていますが「比婆牛」にはオレイン酸が豊富に含まれており、柔らかく、とろけるよう味わいを堪能することができます。
「比婆牛」は生産量が少なく、地元でほとんど消費されてしまうことから、県外に出回ることは稀で、広島県でしか食べらない希少なグルメとして根強い人気を誇っています。
希少な霜降りの豚肉「芸北高原豚」
山々に囲まれた広大な自然を持つ広島県北広島町にある「石橋ファーム」という農場で飼育されているのが「芸北高原豚(げいほくこうげんぶた)」と呼ばれるブランドポークです。
「芸北高原豚」は、通常は一頭当たり1~1.5平方メートルの飼育面積の豚房を、それよりゆったりと広めに確保し、ストレスフリーな環境で育てられています。さらに生パンをベースにトウモロコシ、大豆を加えた独自の飼料を与えているなど、飼育方法にもこだわりがあります。
独自の飼料を与えられ、自然豊かな土地で健康的に育った「芸北高原豚」は、豚肉では珍しい霜降り肉という特徴があり、脂肪が甘くしっとりとした肉質で、和牛のようなとろける口当たりを堪能することができます。
「石橋ファーム」では「芸北高原豚」を使った生ウィンナーやハンバーグ、餃子等の加工品の販売も展開しており、現在、販路拡大に向けて新商品も続々と開発されています。
独自の熟成工程で旨味を凝縮した「広島赤どり」
広島県の中央部にある安芸高田市では畜産業が盛んに行われており、中でも有名な畜産物が「広島赤どり」です。
広島の銘柄鶏である「広島赤どり」は、安芸高田市にある里山のストレスフリーな環境で適度な運動をさせながら、一般的なブロイラーよりも2倍長い約80日もの間、丹精込めて育てられます。
「広島赤どり」は飼育から加工まで一貫して管理しており、独自の「熟成工程」によって旨味を引き上げることで、引き締まった肉質に甘みとコクがある、ジューシーな鶏肉が完成します。
「比婆牛」「芸北高原豚」「広島赤どり」のような限られた地域で育てられた希少価値の高い畜産物は、全国的に販路開拓できるビジネスチャンスを秘めており、飼育風景を紹介しながら他のブランド肉との明確な違いなどを積極的にPRしていくといいでしょう。
まとめ
広島県には歴史のある食材が多く、まだ認知度は高くなくても、今後全国区を目指していけるような可能性を秘めた食材が数多くあります。
これらを日本全国の飲食店へ売り込んでいくには
①店のコンセプトやターゲットの顧客層を見極めて売り込んでいく
②買い手が興味を引くようなエピソードを交えてPRしていく
この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。
広島県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうため積極的に行動を起こし、販路を開拓していきましょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。