こだわりの柑橘類からジビエまで![果樹王国・和歌山県]の特産物

和歌山県の食材を日本全国の飲食店へ売り込むには

紀伊半島の南西部に位置する和歌山県は、多様な農産物を生産している地域であり、豊かな自然と地域ごとに異なる気象条件を最大限に活用しています。

特に柑橘類の生産は古くから盛んで、みかんの生産量は17年連続で全国1位を記録しています。

また、県の8割が山地という地形にもかかわらず、黒潮が流れる太平洋に面しているため、マグロやカツオなどの水産物も豊富です。さらに全国シェアは小さいながらも、牛や鶏といった畜産物も育てられており、近年ではブランド畜産物も増えています。

和歌山県の食材は主に関西地方に出荷されますが、この地域では多種多様な高品質な食材が生産されています。現在、まだ認知度が高くない食材でも、適切なマーケティングを行えば関西以外の地域で新たな市場を開拓できる可能性があります。

では、どのようにすれば関西以外の地域で新規顧客を獲得できるでしょうか?

これまで販売したことがない地域での新規開拓について考えてみましょう。

和歌山県で有名な野菜とは?

和歌山県は全国有数の「果樹王国」として知られていますが、野菜の生産も規模は小さいながら行われており、その少量生産だからこそ、こだわりの栽培方法で育てられた高品質な野菜が注目されています。

ここで、和歌山県を代表する有名な野菜をいくつかご紹介します。

和歌山が誇る伝統野菜「和歌山大根」

和歌山が誇る伝統野菜「和歌山大根」
数ある和歌山県で栽培されている野菜の中でも、「和歌山大根」は古い歴史を持ち、和歌山の伝統野菜として長く愛され続けています。

「和歌山大根」は、紀ノ川周辺の砂地などで栽培される地元産の白首大根で、毎年秋から冬にかけて出荷のピークを迎えます。

「和歌山大根」の歴史は江戸時代中期まで遡ることができます。参勤交代の際に江戸から大根の種を持ち帰り、和歌山城周辺の砂地で栽培を開始したのが始まりとされています。その後も連綿と栽培が続けられ、今では地域の伝統野菜として根強い人気を誇っています。

砂地で栽培される「和歌山大根」は、根がまっすぐに伸び、風味豊かな辛味と甘味をバランス良く持ち合わせているのが特徴です。その絶妙な味わいと風味から、サラダなどの生食にも使用されます。

糖度40度の極上さつまいも「なんたん蜜姫」

和歌山県で栽培される農産物の中でも、「なんたん蜜姫」は幻のサツマイモとして、全国の芋好きから注目を浴びています。

「なんたん蜜姫」は、本州最南端の町である串本町でのみ栽培されるサツマイモです。元々は生産者が自家用に少量栽培していたため、一般には流通していませんでした。しかし、その美味しさが広く知られるようになると、需要が生まれ、毎年限定的な期間だけ販売されるようになりました。

「なんたん蜜姫」の特徴は、焼き芋にすると糖度が40度を超えることもあるなど、一般的なサツマイモよりも甘さが際立つ点です。低温で時間をかけて焼くほど、その甘さが増し、濃厚な味わいを堪能できます。

近年では、「なんたん蜜姫」を利用した地域活性化プロジェクトが行われています。地元の飲食店や道の駅では、「なんたん蜜姫」を使ったソフトクリームやプリンなどのスイーツが販売されています。さらに、「なんたん蜜姫」を使用した焼酎などの新商品開発も進行中です。

味、太さ共に一級品の「はたごんぼ」

和歌山県橋本市は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」がある地域として知られていますが、その橋本市の名産品として特に注目すべきなのが、「はたごんぼ」と呼ばれるごぼうです。

橋本市西畑地区では、江戸時代からごぼうの栽培が盛んに行われていました。しかし、生産労働への負担から次第に生産量が減少し、結局、自家用での栽培のみとなってしまっていました。

しかし、美味しいごぼうである地域の伝統野菜を多くの人々と分かち合いたいという地元の人々の思いから、2008年に多くの人々の努力により、「はたごんぼ」は見事に復活を遂げました。

「はたごんぼ」は、オリジナルの品種ではないですが、西畑の粘土質で肥沃な赤土のおかげで、他の地域で生産されるごぼうよりも太く、立派なごぼうに育ちます。さらに、口当たりの良い柔らかさと深い味わいを兼ね備えており、一度食べたら忘れられないような高品質なごぼうを堪能することができます。

「和歌山大根」「なんたん蜜姫」「はたごんぼ」のような県を代表するこだわりのブランド野菜を全国の飲食店に売り込むためには、野菜の美味しさや栽培方法などを強調しつつ、全国のブランド野菜を使った料理を多く提供している飲食店を中心にアプローチし、
さらに、有機野菜や無農薬野菜である場合は、オーガニックや自然食品を重視する量販店、レストラン、カフェなどを対象に、商品を売り込むのも良い方法でしょう。

和歌山県で今注目の果物とは?

果樹王国である和歌山県では柑橘類を始め、多種多様な果物を生産しており、栽培方法にこだわって育てられたブランド果物も充実しています。

その中から、今注目の和歌山県産の果物をご紹介します。

口いっぱいに広がる上品な甘さ「紀ノ川柿」

口いっぱいに広がる上品な甘さ「紀ノ川柿」
和歌山県は柿の収穫量で全国第一位を誇り、柿の一大産地として有名ですが、その中でも特に希少性が高い品種として知られるのが「紀ノ川柿」です。

「紀ノ川柿」は和歌山県のごく限られた地域でのみ栽培される平核無柿を木に実らせたまま渋抜きを行ったもので、和歌山県の優良県産品推奨制度、プレミア和歌山にも認定されています。

渋抜きは果実に固形アルコールを入れた袋を被せ、一日丸々放置するという独自の方法で行っており、この工程は一つひとつ手作業で必要とされるため、生産量は少ないです。これが「幻の柿」と呼ばれる理由でもあります。

「紀ノ川柿」の果肉は黒砂糖を振りかけたかのような黒い色調を呈しており、味わいは黒蜜を混ぜたかのような上品な甘さが特徴で、通常の柿とは一線を画した独特な風味を楽しむことができます

糖度15度以上のジューシーな甘み「木熟301」

和歌山県はデコポン(不知火)の生産量が全国3位に入るなど、盛んに生産が行われており、その中でも和歌山県の最高級デコポンとして人気を集めているのが「木熟301」です。

「木熟301」は、果実を早期に収穫せず樹上完熟させる方法で育てられたデコポンで、ブランド名の301とは301日以上の期間を経て完熟していることを表しています。

通常のデコポンは糖度13.0度以上、酸度1.0度以下という基準が設けられています。これでも十分に甘いのですが、じっくりと時間をかけて完熟する「木熟301」は糖度が15度以上という基準があり、この厳しい基準をクリアしたものだけが「木熟301」として出荷されます。

厳しい基準によって選別された「木熟301」は、みずみずしくジューシーな果肉とコクのある濃厚な味わいで、そのまま生で味わうだけでなく糖度が高く風味が良いため、様々なスイーツや料理に使うことも可能です。

西日本一の桃の楽園で育つ「あら川の桃」

和歌山県は西日本最大の桃の産地として知られています。その中でも和歌山県紀の川市桃山町は桃の栽培が400年以上前から行われており、西日本における桃の一大産地として知られています。

桃山町では様々な品種の桃を栽培していますが、地域で栽培されている桃は「あら川の桃」というブランド名が付けられて出荷されており、和歌山県を代表するブランド桃として人気を集めています。

桃山町は温暖な気候と、砂れきを含んだ水はけの良い地質という美味しい桃が育つ条件が揃っていることから質の高い桃が育ちやすく、さらにほとんどの生産者が有機肥料を使用しており、安全性が高いことも評価されています。

「紀ノ川柿」「木熟301」「あら川の桃」のように高品質な果物は高級果物を提供するフルーツパーラーやレストランを中心に売り込み、さらに素材にこだわったスムージーなどのドリンクを提供する、ジュースバーにもアプローチしていくことで高い成果を生み出せることでしょう。

和歌山県のご当地水産物

和歌山県では北の紀伊水道沿岸、南の太平洋沿岸の2つの漁場で操業が行われており、水揚げされる水産物の中にはブランド化されているものがいくつもあります。

さらに養殖業も盛んに行われており、海面養殖業では栄養豊富な紀伊水道の海水を活用し、様々な養殖魚が育てられています。

そんな和歌山県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。

黒潮の恵みで育てられる「紀州梅まだい」

黒潮の恵みで育てられる「紀州梅まだい」
和歌山県を代表する養殖魚ブランドとして高い人気を誇る「紀州梅まだい」は平成14年より生産されている和歌山県オリジナルのブランド真鯛で、プレミア和歌山にも認定されています。

「紀州梅まだい」は「梅酢エキス」を配合した独自の飼料を与えて育てているのが特徴で、
近年、果物を混ぜた餌を与えて養殖魚を育てる「フルーツ魚」が人気を集めていますが、
20年前から生産されている「紀州梅まだい」はフルーツ魚の先駆けとしても知られています。

「紀州梅まだい」は良質な脂がのっており、養殖魚独特の臭みが無いことから評判が高く、美味しさの理由は串本町の海水が関係しています。

串本町の海は様々な生物が生息していることで有名です。そこは黒潮の海流域であることから、その恵みによって身が引き締まりつつ味がよく育つため、安定して美味しい真鯛を届けることができます。

箕島辰ヶ浜で獲れる夏の味覚「辰ヶ鱧」

関西地区で人気の高い魚の一つである「鱧(ハモ)」は、主に西日本の各地で水揚げされており、中でも鱧が多く水揚げされる地域として有名なのが、和歌山県有田市宮崎町の辰ヶ浜地区です。

辰ヶ浜地区の箕島漁港では、毎年夏から秋にかけて鱧の漁獲シーズンを迎え、箕島漁港で水揚げされる鱧は「辰ヶ鱧」というオリジナルのブランド名で出荷されています。

「辰ヶ鱧」は淡白な白身魚で、鍋や焼き物、揚げ物など様々な料理に使うことができますが、小骨が多いため、通常では職人が骨切りをして下処理を行い、さらに骨切り後には
生臭さを取るために湯引きが行われており、湯引きした「辰ヶ鱧」は蒲焼きなどに加工されて販売もされています。

鱧は、京都を中心に関西の夏の風物詩として定番になっているものの、関西以外では鱧を食べる習慣があまりないことから、和歌山では「辰ヶ鱧」のブランドの認知度の向上と共に
関東を始めとする地域にも鱧の美味しさを知ってもらうため、積極的に販促活動が行われており、今後、全国的に鱧を食べる習慣が広がっていくかもしれません。

鮮度と脂乗りの良さが自慢の「しょらさん鰹」

串本町は鰹の「ケンケン漁」発祥の地として知られ、ケンケン漁によって漁獲される和歌山県串本町産の鰹は「しょらさん鰹」というブランド名で出荷されています。

「しょらさん鰹」は、当日水揚げされたもので、その場で活け〆し、氷温保存するなど厳しい基準が設定されており、さらに2kgから4.5kgまでの重さで脂がのり、厳選されたもののみが「しょらさん鰹」と名乗ることができます。

「しょらさん鰹」はモチモチとした食感なことから「もち鰹」と呼ばれることがあります。通常、鰹はたたきで食べられることが多いですが、「しょらさん鰹」は素材本来の味を堪能できる刺身で食べるのがおすすめです。

「紀州梅まだい」「辰ヶ鱧」「しょらさん鰹」のような上質なブランド水産物を扱っており、今後、全国の飲食店に向けて売り込んでいきたい際には、メニュー表に産地を表記しているような料亭や割烹、創作和食店、海鮮居酒屋などをターゲットにし、ブランドの歴史や美味しい食べ方、さらに養殖魚の場合は環境の良さや与えている飼料のこだわりなどを紹介しながら売り込んでいくことで興味をもってもらえることでしょう。

和歌山県で人気のある畜産物

和歌山県で生産されている畜産物は種類こそは少ないものの、ほとんどがブランド化されており、まだあまり知られていない逸品もあります。

その中から、和歌山県の人気の畜産物をご紹介しましょう。

世界遺産の地、熊野が誇る銘柄牛「熊野牛」

世界遺産の地、熊野が誇る銘柄牛「熊野牛」
和歌山県で生産している和牛の中でも、希少価値の高い銘柄牛として高い人気を集めているのが「熊野牛」です。

「熊野牛」のルーツは平安時代にまでさかのぼると言われ、熊野地方で飼育され、当時は農耕用として活躍していました。そこから撰び抜かれた血統を取り入れ黒毛和牛として品種改良した牛で、平成3年よりブランド展開がスタートしました。

「熊野牛」は棚田や草原がある自然豊かな土地で、植物性100%の飼料を与えられ、のびのびと育てられています。「熊野牛」と名乗るためには和歌山県内、もしくは熊野牛認定委員会の指定牧場で出荷月例の半数以上飼育されている黒毛和種のオスまたは出産経験が無いメスである必要があります。さらに、24か月齢以上の枝肉で、肉質等級がA3、歩留まり等級がB3以上と決められています。

「熊野牛」は松阪牛や神戸牛のように、柔らかな肉質と繊細な霜降りを持っており、焼いたときに豊かな香りが出てくるのが特徴で、牛肉本来の美味しさを味わえるステーキにはもちろん、焼き肉やしゃぶしゃぶなど幅広い料理に使うことができます。

自然が織り成す、山の恵み「わかやまジビエ」

県内の4分の3以上が森林の和歌山県では。野生鳥獣の増加が深刻化しており、野生鳥獣による果樹や林産物の被害額は年間3億円以上にのぼります。

通常では捕獲された動物は廃棄されることになりますが、鹿や猪といった捕獲した個体をジビエとして有効活用する取り組みが始まり、「わかやまジビエ」という名称でブランド展開しています。

ジビエは野生動物の肉であるがゆえに安全性が懸念されますが、捕獲された個体は食品営業許可を得た県内施設で処理加工されており、さらにジビエの肉質等級制度を創設し、脂肪の厚みや肉のきめ細かさなどを厳しくチェックし、厳選したものだけが出荷されています。

和歌山県ではより多くの人々に「わかやまジビエ」を知ってもらうため定期的にイベントも開催しており、県内には「わかやまジビエ」を使った料理を提供する飲食店が多数あり、フレンチからイタリアン、和食まで様々なジャンルのジビエ料理を堪能することができます。

みかんの果皮を用いた飼料で育てられた「紀の国みかんどり」

みかんの生産量が全国1位の、和歌山県ならではのブランド畜産物として注目を集めているのが「紀の国みかんどり」です。

「紀の国みかんどり」は和歌山で採れたみかん果皮をブレンドしたオリジナルの飼料を与えて育てている銘柄鶏で、プレミア和歌山にも認定されています。

「紀の国みかんどり」は紀の国和歌山の自然豊かな山麓で育てられており、生後3週以降は抗生物質や合成抗菌剤等を一切使用しないで育てるなど、徹底した衛生管理と健康管理で飼育を行い、丈夫で健康な安心安全な鶏に育てています。

みかん果皮をブレンドした特別な飼料で育った「紀の国みかんどり」は臭みが少なく、爽やかでジューシーな味わいが特長で、さらに一般的なブロイラーよりも長期間飼育するため、
身が肉厚でしっかりとしており、歯ごたえも抜群です。

「熊野牛」「わかやまジビエ」「紀の国みかんどり」のような個性豊かなブランド畜産物を扱っており、全国の飲食店に売り込んでいくには、牛肉の場合、希少な銘柄牛のニーズがありそうな鉄板焼きレストランや、ステーキハウス、その他のブランド畜産物は、素材にこだわった料理を提供するレストランや和食店をターゲットにし、美味しさの魅力に加えて、畜産農家の紹介や飼育環境の良さを紹介しながら安全性もアピールしていくといいでしょう。

まとめ

和歌山県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには

①メニュー表に産地を表記しているような、日頃からこだわりの食材を仕入れている飲食店にターゲットを絞って売り込んでいく

②与えている飼料や飼育環境、ブランドの歴史など、こだわりのポイントをアピールして認知度アップを図る

この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。

和歌山県には柑橘類を中心に全国的にも有名な食材が多く、和歌山の食材は美味しいものが多いというイメージが浸透していることから、まだ認知度が低い食材も今後、全国区を目指していける可能性が十分にあると言えます。

和歌山県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうため積極的にPRして販路を開拓していきましょう。

監修者

アートアンドヘルスケア株式会社 代表取締役 森下浩隆(もりしたひろたか)

アートアンドヘルスケア株式会社

代表取締役 森下もりした浩隆ひろたか-Morishita Hirotaka-

『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。

 
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