水の王国・富山県には氷見牛から雪たまねぎまで豊かな特産物が!
北陸地方に位置する富山県は農地の水田率が全国1位を誇る、全国でも有数の米どころでも知られており、米を主体に発展を遂げてきた地域でもあります。
そして、日本海側には豊かな海洋生物が生息する富山湾が広がり、ブリやマグロといった人気の高い魚が漁獲されています。
さらに、立山連峰からの清らかな雪解け水によって育まれる野菜や果物は全国的に高い評価を得ており、さらに綺麗な空気と美味しい水によって牛や豚などの家畜も健やかに育っていきます。
富山県では海の幸から山の幸まで、質の高い食材が幅広く生産されており、全国の飲食店に新規開拓していける可能性を秘めているものも多くあります。
しかし、どうしたら北陸以外の地域で新規顧客を獲得することができるでしょうか。
これまで販売したことのない地域での新規開拓について考えていきましょう。
富山県で有名な野菜とは?
富山の農業は米の生産が主体であり、野菜の生産シェアは少ないものの、個性豊かなこだわりの野菜が生産されています。
その中から、富山県を代表する有名な野菜をご紹介しましょう。
富山を代表するブランド野菜「富山トマト」
富山県では県内で収穫された野菜に付加価値をつけるために続々とブランド化を図っており、その中でも富山県を代表するブランド野菜として知られるのが「富山トマト」です。
富山県では50年ほど前に富山市八ケ山地区でトマト栽培を開始して以降、県内の至る地区でトマト栽培が盛んに行われるようになり、品質にも定評があります。
そこで、富山県は特産でもあるこのトマトをもっと知ってもらうためにブランド化し、富山県で生産されるトマトを統一して「富山トマト」として出荷するようになりました。
「富山トマト」の品質の良さは、鮮度が良い状態で食べてもらうためにスピーディーな出荷体制を整えているところにもあります。収穫されるとすぐに選果場へ運ばれ、その日のうちにスーパーに並ぶこともあります。
「富山トマト」を生産する農家は農薬・化学肥料をできるだけ減らし、環境に配慮した農業に取り組むエコファーマーの認定を受けていることから安全性が高く、徹底した管理のもとで育てています。収穫されたトマトは甘味と酸味のバランスが優れており、生食で美味しくいただけるだけでなく、料理に使うのもおすすめです。
雪解け水によって育まれる「雪たまねぎ」
散居村があることで知られる富山県砺波市の砺波平野で栽培されている有名な野菜が「雪たまねぎ」です。
「雪たまねぎ」は一般的な品種の玉ねぎとは違い、8月から9月に種をまき、その後、植え付けを行い、冬の間、雪に埋もれた土の中で過ごし、初夏になったら収穫が行われる「越冬たまねぎ」というタイプの玉ねぎです。
「雪たまねぎ」は庄川水系の雪解け水を吸収して育つことから、みずみずしさがあり、甘味も強いことから甘さを引き出せる炒め物や、カレーなどの煮込み料理にも適しています。
「雪たまねぎ」は富山県砺波市の特産品にも選ばれており、県内のスーパーで発売されるだけでなく、飲食チェーン店やコンビニ向けの加工品にも活用されています。
改良によって美味しさが増した「高岡どっこ」
富山県は地域ごとにこだわりの伝統野菜が存在していますが、その中でも食べやすく改良した品種として人気を集めているのが「高岡どっこ」です。
高岡市では加賀藩時代から「どっこきゅうり」と呼ばれる太いきゅうりを栽培していた記録があり、古くから継承されてきた野菜として「富山の伝統野菜」にも認定されています。
「どっこきゅうり」は通常のきゅうりよりも苦みが強いという特徴がありましたが、2002年に改良された品種は苦みが少なくなり、上品な甘さが加わるなど、以前よりも美味しさが増し、評判を集めています。
「高岡どっこ」は生よりも加熱料理に向いている野菜で、地元では醤油や砂糖で味付けした出汁にくず粉を加えてとろみをつけた「くずあんかけ」と呼ばれる料理によく使われています。
「富山トマト」「雪たまねぎ」「高岡どっこ」のような富山県産の野菜を全国各地の飲食店に売り込んでいくには、鮮度の良い国産野菜を仕入れていることを売りにしている和食料理店や希少性の高いブランド野菜に興味がありそうなフレンチレストランなどにターゲットを絞って売り込んで行くといいでしょう。
売り込む際には、最も美味しく食べられる調理方法を紹介したり、さらに水や土壌など、栽培に良い影響をもたらすポイントがあれば、積極的に伝えていくようにしましょう。
富山県で今注目の果物とは?
富山県ではりんごや梨といったバラ科の果物の生産が盛んで、夏になるとスイカやブルーベリーといった爽やかな果物も収穫されます。
そんな中から、今注目の富山県産の果物をご紹介します。
庄川おろしによって逞しく育つ「庄川ゆず」
富山県で栽培されている果物の中でも、毎年収穫を祝うお祭りが開催されるなど、根強い人気を誇っているのが「庄川ゆず」です。
富山県では1970年より砺波市庄川地域でゆずの生産が始まりました。庄川地域は「庄川おろし」と呼ばれる風が吹くことで有名で、この風によってゆずの大敵である霜が降り注がないことから、ゆずの栽培に適した環境となっています。
この地で育つゆずは、他の産地で収穫されるゆずよりも香り高く、果皮が厚いのが特徴です。他の産地と異なる理由には、庄川おろしだけでなく、冬の冷え込みなどのこの土地の気候風土に影響されているといわれています。
毎年11月には、地元の公園で収穫されたばかりの「庄川ゆず」が販売される「庄川ゆずまつり」が開催されており、その際には「庄川ゆず」を使ったゆずうどんやゆずこんにゃくといったこだわりの名物料理を堪能楽しむことができます。
呉羽丘陵が生んだ名産品「呉羽梨」
西側と東側で斜面が大きく異なることで有名な「呉羽丘陵」の名産品として有名なのが「呉羽梨(くれはなし)」です。
「呉羽梨」は斜面が比較的緩やかな呉羽丘陵の田園地帯で栽培されている梨で、この一帯で収穫された梨は品種に関係なく、全て「呉羽梨」というブランドで出荷されています。
呉羽丘陵の土壌はよく肥えており、粘土質でありながら水はけがいいことから梨の生産に適しており、酸味が少なく、甘味が強い品種として知られる「幸水」を中心に数種類の品種を生産しています。
呉羽丘陵で育つ梨は品種を問わず、甘味く、みずみずしいことから評判がよく、主に直売所で販売されてきましたが、最近ではネット通販でも買うことができるようになりました。
濃厚な甘味を持つ「加積りんご」
富山県魚津市は国内でもかなり南寄りのりんご栽培地として知られ、ここで栽培されるりんごは「加積りんご」というブランドで出荷されています。
「加積りんご」が栽培されている主な産地である魚津市加積地区は古くから美味しいりんごが育つ場所として有名であり、その秘密は通常よりも長い栽培期間にあります。
例えば、魚津市はりんごの名産地である東北地方よりも先に春が訪れるため開花が早く、りんごが熟すのに必要な寒さが来るのは逆に遅いことから、東北地方と比較すると栽培期間が4週間ほど長くかかります。
一般的に知られているりんごの産地より、開花から収穫まで長い期間が必要なことで栄養を吸収する時間が増えることから、糖度が高くなり、濃厚な味わいと豊かな香りを堪能できるりんごに育ちます。
「庄川ゆず」「呉羽梨」「加積りんご」のような富山県オリジナル品種の果物を全国の飲食店に売り込んでいくには、果物を使ったメニューのバリエーションが豊富なカフェやフレッシュな果物を使ったジュースを提供するジューススタンドやスムージー店などに売り込んでいくことで高い成果を生み出せることでしょう。
売り込む際には、富山県で生産される果物は独自の気候風土によって育つものが多いことから、他の産地にはない特徴や美味しさの秘密など、食材の魅力を積極的に伝えていくようにしましょう。
富山県のご当地水産物
富山県では富山湾を中心に漁業が盛んに行われており、魚以外にもホタルイカやスルメイカといったイカ類は富山名物の特産品として高い人気を誇ります。
そんな富山県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。
富山県の新たな水産ブランド「高志の紅ガニ」
富山湾ブランド水産物として人気急上昇中なのが「高志の紅ガニ(こしのあかガニ)」です。
「高志の紅ガニ」は富山湾で水揚げされた紅ズワイガニをブランド化したもので、2006年より展開を行っています。
富山湾の紅ズワイガニ漁は海底にエサを入れたカゴを沈めて漁獲する「かにかご漁法」で行われており、この「かにかご漁法」は富山県で始まり、今では全国で行われています。
深海の高い水圧に耐えながら成長する「高志の紅ガニ」は、身が引き締まっており、ミソは濃厚な味わいで、ズワイガニのような上品な風味も感じることができ、茹でても刺身でも美味しく頂くことができます。
射水市の高級ブランド魚「万葉かれい」
射水市では地元で水揚げされる水産物に付加価値をつけるために次々とブランド化を図っていますが、その第1弾としてブランド化したのが「万葉かれい」です。
「万葉かれい」は射水市新湊産のマコガレイをブランド化したもので、大伴家持が越中守として、赴任先の越中に5年間滞在していたことにちなんでいます。「万葉かれい」と名乗るには新湊沖で水揚げされた傷のないマコガレイで、重さが400g以上である必要があります。
「万葉かれい」は水揚げされると、専用の水槽で一晩休ませ、泥を吐かせて臭みを取ります。その際にも傷がつかないように丁寧に作業するなど、ブランド価値を損なわないよう、徹底した取り組みが行われています。
「万葉かれい」は4月の漁解禁から水温が上がるにつれて身が太るため、刺身で食べるのが絶品といわれています。また、カレイは煮付けにしても大変美味しい魚で、高級魚特有の上品な旨味をじっくりと味わうことができます。
富山湾だけで味わえる逸品「シロエビ」
富山県の特産品であり、地元のご当地グルメとして高い人気を誇っているのが、富山湾で水揚げされる「シロエビ」です。
「シロエビ」は甲殻綱オキエビ科シラエビ属に属すエビで、「ヒラタエビ」や「シラエビ」などと呼ばれることもあります。
「シロエビ」は海岸からほど近い「藍瓶(あいがめ)」と呼ばれる海底谷の水深100~600mの深海に生息しており、水揚げされた直後の見た目が透き通った淡いピンク色をしていることから「富山湾の宝石」とも呼ばれています。
「シロエビ」は国内では駿河湾や相模湾などにも分布しているものの、まとめて水揚げをするシロエビ漁を行っているのは全国的に見ても富山湾のみとなっています。
「シロエビ」は上品な甘味とふっくらとした弾力があるのが特徴で、体長は5cmから8cmと小さいながらも、天ぷら、から揚げといった揚げ物から刺身、お寿司まで、幅広い料理に活用されています。
「高志の紅ガニ」「万葉かれい」「シロエビ」のような富山県が誇るこだわりの水産物を全国の飲食店に売り込んでいくには、ブランド水産物を豊富に仕入れている高級寿司店や新鮮な水産物を提供している海鮮料理店などにターゲットを絞って売り込んで行くといいでしょう。
また、売り込む際には食材の魅力やおすすめの調理方法、水揚げされてから出荷されるまでに行う取り組みなど、相手が知りたい情報を盛り込みながらアピールしていきましょう。
富山県で人気のある畜産物
富山県では畜産物の農業産出額が果物や野菜よりも高いなど、畜産物の生産が盛んに行われており、生産されている畜産物をブランド化しています。
その中から、富山県の人気の畜産物をご紹介しましょう。
氷見市のもう一つの特産品「氷見牛」
「ひみ寒ぶり」に続く、富山県氷見市の特産品として人気を集めているのが「氷見牛」です。
氷見市では昭和初期から、兵庫県の但馬から黒毛和牛を導入して飼育を始めるようになり、その後、改良を重ねて、1995年より「氷見牛」としてブランド化し、今では氷見市が県内最大の肉牛の産地として栄えています。
豊かな自然の中で山間地から湧き出る清水と、自家生産のオリジナルの飼料によって健やかに育つ「氷見牛」は半数以上がA4ランクに判定されるなど安定して高い品質を誇り、和牛の品評会では1、2位を争うこともあります。
「氷見牛」は肉質や鮮度の良さはもちろんのこと、さしの入り具合を指す「脂肪交雑」が非常に優れており、ステーキからしゃぶしゃぶまで、部位に合わせて様々な料理に使うことができます。
北陸初の放牧型で育まれる豚「悠牧豚」
富山県で現在、最も注目を集めているブランド豚が、2016年より富山市梅沢町で生産されている「悠牧豚(ゆうぼくとん)」です。
「悠牧豚」は北陸初の放牧型で育てている豚で、日本ではほとんどの養豚が豚舎で行われている中、「悠牧豚」は広々とした放牧場で成長するまで自由に活動させています。
放牧場ではストレスを溜めないように、餌場や水飲み場を一角に設けて、いつでも餌を食べられるようにしています。また餌には、腸内環境を整える働きのある発酵食品を混ぜるなど、健康に育つよう様々な取り組みも行わています。
のびのびと育った「悠牧豚」は、臭みが少なく、肉質の良さにも定評があり、2019年には国内線の機内食にも採用されています。
富山が誇るブランド卵「米寿のたまご」
高岡市の農場で生産している有名なブランド卵が「米寿のたまご(べいじゅのたまご)」です。
「米寿のたまご」は、鶏に富山県産の米を飼料として与えて育てているのが特徴で、他にも国産の魚粉や大豆粕などを配合した独自の飼料も与えています。
「米寿のたまご」は親鶏が安全性の高い飼料を与えられ、広い土地での平飼いでのびのびと育てられることからストレスを溜めにくく、自然に近い環境で育つことで健康的な卵が生まれます。
さらに一般的な卵よりも甘味や旨味があることが分析結果によって判明しており、生や半熟でも美味しく頂くことができます。
「氷見牛」「悠牧豚」「米寿のたまご」のような高品質なブランド畜産物を扱っており、全国に販路開拓していきたい場合、ブランド肉の場合、質の高い国産ブランド肉のニーズがありそうな鉄板焼きレストランや高級日本料理店、ブランド卵の場合は国産の卵を使ったスイーツやパンを提供する洋菓子店やカフェなどにターゲットを絞り、売り込んで行くといいでしょう。
売り込む際には、美味しさの特徴に加えて、与えている飼料や地元で人気の調理方法などを紹介し、また、家畜を放牧や平飼いで育てている場合は広々とした環境の中、ストレスフリーで育てていることも積極的にアピールしていきましょう。
まとめ
富山県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには
①安全性の高い国産の食材にこだわっている飲食店にターゲットを絞って売り込んでいく
②食材の美味しさを伝えるだけでなく、飼育方法や出荷までの管理方法など、相手の知りたい情報を伝えながら認知度アップを図る
この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。
富山県にはまだまだ全国的に知られていない食材も沢山ありますが、一つひとつの食材のポテンシャルが高いことから、魅力が知れ渡ることで全国区になれる可能性が十分にあるといえます。
富山県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうためには、まずは認知度UPを図ることからスタートし、販路開拓していきましょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。