新食感の柑橘類から生産量1位の養殖魚まで!「かんきつ王国」愛媛県の特産物

愛媛県の食材を日本全国の飲食店へ売り込むには

四国地方の北西部に位置する愛媛県は、みかんをはじめとする柑橘類の栽培が有名ですが、それだけでなく、瀬戸内海と宇和海に面していることから、新鮮な鯛などの魚介類が豊富に水揚げされる地域としても知られています。

さらに、野菜やお米などの農産物も盛んに栽培されており、畜産業では高品質なブランド肉が数多く生産され、全国的に多くのファンを獲得しています。

愛媛県の食材は、地元以外では中国地方や九州地方などで消費されることが多いですが、愛媛のオリジナル食材の中には全国的に新たな販路開拓が可能な食材も多く存在し、特に関東以北などの地域での認知度が低い地域において販売することで、新たなビジネスチャンスを見出すことができるでしょう。

しかし、これまで顧客のいなかった地域で愛媛県の食材を新たに販売するためには、どのような方法でアプローチしていけばよいのでしょうか。遠方での新規開拓について考えてみましょう。

愛媛県で有名な野菜とは?

愛媛県は柑橘類などの果物の栽培が有名な県ですが、野菜も数多く栽培しており、愛媛県オリジナルブランドの野菜もいくつか展開されています。

その中から、愛媛県を代表する有名な野菜をご紹介します。

愛媛が誇るブランド里芋「伊予美人」

伊予美人

愛媛県のブランド野菜の中でも、特に高い人気を誇っているのが「伊予美人」と呼ばれる里芋です。

「伊予美人」は愛媛県で昔から存在している「女早生(おんなわせ)」という主力品種を
愛媛県農業試験場が選抜育成し、開発したもので、平成20年2月に新品種として登録されました。

温暖な気候に恵まれたうま地区で栽培されている「伊予美人」は、有機肥料を使用しているなど環境に配慮しています。丹精込めて栽培された伊予美人は色白で形が揃い、きめ細かな肉質で、正に伊予美人という名に相応しい里芋です。

「伊予美人」は里芋特有のしっかりとした粘りを持ち、甘みや旨味を感じることができ、煮物にはもちろん、揚げ里芋などにも適しています。

西条市の豊富な湧水で育てられた「絹かわなす」

愛媛県には、古くから県内で栽培されている「伝統野菜」が多く存在しており、その中の一つが「絹かわなす」です。

「絹かわなす」は愛媛県西条市で栽培している在来種のナスで、明治時代の頃から栽培されていたという記録が残っており、現在は愛媛県を代表する伝統野菜の一つとして愛媛のブランド産品に認定もされています。

「絹かわなす」は丸みがある大ぶりのナスで、丈夫に育つ理由には水の都と呼ばれる西条市のあちこちから湧き出る、「うちぬき」と呼ばれる豊富な湧水をふんだんに使って育てられていることも関係しています。

うちぬき水によってみずみずしさとジューシーな果肉を持つ「絹かわなす」は、生でも食べやすいことから和洋中、幅広い料理に使うことができ、多くの料理人からも高い評価を得ています。

「絹かわなす」を使って作る漬物も人気が高く、毎年夏限定で販売される「絹かわなすの一本漬け」は、「絹かわなす」を1本まるごと漬け込んだ漬物で、主に地元のスーパーで販売されており、根強い人気を獲得しています。

冷涼な高原で育てられた「高原大根」

愛媛県には広い高原が各地に点在し、夏でも冷涼な高原の気候を生かして、様々な高原野菜を栽培しています。

その中でも愛媛県で特に有名な高原野菜が「高原大根」です。

「高原大根」は久万高原、大野ヶ原で栽培している大根で、高原には堆肥が投入された、火山灰からできた黒ボクと呼ばれる土壌と、清流の水が豊富にあることから夏大根の栽培に適しており、好環境の中で美味しい大根へ育っていきます。

「高原大根」は部位によって味が変わり、上部は甘みがあるため、サラダや煮物に適しており、下部にいくほど辛みが出てくることから、千切りや漬物にして食べるのがおすすめとなっています。

「伊予美人」「絹かわなす」「高原大根」のような愛媛県独自の野菜を関東や東北などの遠方の飲食店に向けて売り込みたい場合、野菜の美味しさを伝えていくのはもちろんのこと、愛媛県には野菜の栽培に適している環境が多くあることや、古くから農業が主力産業として栄えていることなど、数々の魅力や実績をアピールしていくといいでしょう。

愛媛県で今注目の果物とは?

愛媛県で今注目の果物とは?
愛媛県は「かんきつ王国」と呼ばれることもあるほど、柑橘類果物の生産が盛んで、様々な種類の柑橘類が栽培されています。

柑橘類以外にも、温暖な気候を生かして幅広い品種の果物を栽培しており、全国的に有名なブランド果物から地元民に愛されている希少な果物まで魅力ある果物が数多くあります。

その中から、今注目の愛媛県産の果物をご紹介します。

上質な熟成伊予柑「弥生紅(やよいべに)」

愛媛県のオリジナル柑橘類として有名なのが「弥生紅(やよいべに)」です。

「弥生紅(やよいべに)」はみかんに次いで生産量が多いことで知られる「宮内伊予柑」という品種を熟成させたもので、数ある柑橘類の中でも上級ブランドとして売り出されています。

「宮内伊予柑」は1955年に愛媛県松山市内にある農園で発見された品種で、従来の伊予柑よりも甘みがあり、種が少ないことからそれ以降栽培面積が拡大し、現在生産されている伊予柑の多くの品種が「宮内伊予柑」となっています。

「弥生紅」は毎年1月頃までに収穫し、その後は3月まで貯蔵施設でじっくりと熟成させることで通常の「宮内伊予柑」よりも甘みが増して酸味がまろやかになり、ジューシーな果汁と果肉を心行くまで堪能できます。

ゼリーのようなとろける食感「紅まどんな」

愛媛県産の柑橘類として近年、人気急上昇中なのが「紅まどんな」と呼ばれる柑橘類です。

「紅まどんな」南香と天草という品種を交配して生まれた品種で、主に松山市や今治市で生産されており、2005年3月に品種登録されました。

「紅まどんな」の最大の特徴でもあるのが、柔らかい果肉です。

ゼリーを思わせるようなとろける食感で、これまでの柑橘類の常識を覆すような新食感を楽しむことができ、さらに糖度も高いので甘さもしっかりとあり、柑橘類ならではの爽やかな香りも堪能できます。

「紅まどんな」の出荷時期は毎年11月下旬から12月下旬までと非常に短いことから希少性が高く、年末の贈答品としても高い人気を誇っています。

自然豊かな島で育った「いわぎレモン」

愛媛県北東部の瀬戸内海に浮かぶ岩城島という島は別名「青いレモンの島」と呼ばれており、この島では古くから青いレモンの栽培地として有名で、「いわぎレモン」という名称でブランド展開を行っています。

岩城島では30年ほど前から青いレモンを使って村おこしをスタートし、近年、国産レモンの青みがかった色味のイメージで定着しているのは、岩城島の地道な宣伝活動による功績と言われています。

岩城島で栽培されるレモンは季節や気温によってレモンの色が変化し、青いレモンは、毎年10月から12月にかけて収穫されています。

「いわぎレモン」は果汁がたっぷりと詰まっているので、レモネードや調味料として使うのもおすすめで、さらに防腐剤やワックスは一切使用していないので皮まで安心して食べることができます。

「いわぎレモン」は果物以外にもレモンオイルやレモン果汁など様々な商品展開も行っており、レモンを使ったご当地グルメも高い人気を誇っています。

「弥生紅」「紅まどんな」「いわぎレモン」のような県内でしか生産していないオリジナルの果物を飲食店で使ってもらうには、収穫時期の少し前から季節の旬な果物を取り扱う飲食店を中心にアプローチを始めるようにし、こだわりの栽培方法や一般的な品種との美味しさの違いなど、独自の魅力をアピールしながら売り込んでいくことで高い成果を生み出せることでしょう。

愛媛県のご当地水産物

愛媛県のご当地水産物
愛媛県は、海面養殖の生産量が全国トップシェアを誇り、中でもマダイの養殖生産量は30年間1位をキープしています。

その他にも各海域では、その特性に応じた様々な漁船漁業も行われており、全国的にも高い生産量を誇ります。

そんな愛媛県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。

愛媛の注目養殖魚「媛スマ」

近年、愛媛県の新ご当地水産物として注目されているのが「媛スマ」と呼ばれる養殖魚です。

「媛スマ」はスズキ目サバ科スマ属の「スマ」という種類の養殖魚で、スマはマグロ類に属していることから、トロのように脂がのっており、背は中トロ、腹は大トロのような味わいや食感を楽しむことができます。

天然のスマはほとんど水揚げされないことから長年、幻の高級魚として知られていましたが、平成24年に愛媛大学がスマの研究をスタートし、平成28年に愛媛県が国内で初めてスマの完全養殖に成功。

その後、令和元年に愛媛県の主導で媛スマ普及促進協議会を設立し、「媛スマ」という名で本格的にブランド展開をスタートします。

「媛スマ」はマグロやカツオの良いとこ取りと評価されているなど、臭みがなく、高級魚のような滑らかな口当たりで、刺身を始め、炙りや漬魚としても活用することができます。

愛媛ならではのフルーツ魚「みかんフィッシュ」

果物の皮や果汁を混ぜた餌で育てられているフルーツ魚は様々な地域で生産されていますが、愛媛県では「かんきつ王国」ということもあり、みかんを与えて育てる「みかんフィッシュ」というオリジナルのフルーツ魚ブランドを展開しています。

「みかんフィッシュ」は柑橘の果皮やオイルを混ぜた飼料を与えて育てている養殖魚で、
特定の種類を指すのではなく、マダイやサーモン、ヒラメなど多くの養殖魚が「みかんフィッシュ」としてブランド展開されています。

「みかんフィッシュ」の魚は、みかんの風味がほのかに香るのが特長で、魚特有の生臭さもほとんどないため、生でも美味しく食べることができます。

「みかんフィッシュ」で展開される養殖魚の種類は徐々に増加しており、コストをかけずに高付加価値を付けられることから、愛媛を代表する養殖魚ブランドとして、国内外でのさらなる販路拡大が期待されています。

刺身が絶品の「シマアジ」

アジの仲間でも高級魚として扱われている「シマアジ」は、市場で流通しているのはほとんどが養殖魚です。シマアジの養殖は西日本や四国を中心に行われており、その中で愛媛県は「シマアジ」の養殖生産量日本一を誇ります。

愛媛県では1980年代中頃から宇和海で「シマアジ」の養殖がスタートし、その後、規模が徐々に拡大し続け、今では国内出荷の50%を愛媛が占めるようになり、全国を代表するシマアジの養殖地として定着しました。

「シマアジ」の養殖はこだわりの養殖技術を用いて生産しており、人工的に卵からふ化させた稚魚に栄養バランスを考えた配合飼料を与え、こまめに管理を行いながら約2年かけてじっくりと育て上げ、1.5kgほどになると活魚として出荷されていきます。

「シマアジ」は焼き物や煮物にしても美味しいですが、刺身で食べるのが最も人気が高く、
身が柔らかいので、プリプリとした食感を楽しむことができ、脂の旨味も堪能できます。

「媛スマ」「みかんフィッシュ」「シマアジ」のような質の高い養殖魚を、これまで取引したことのない新たな地域に売り込んでいくには、最新の養殖技術によってひと昔前よりも養殖魚が美味しくなっているということを、飼育風景を紹介しながらPRしていくことで興味をもってもらえることでしょう。

愛媛県で人気のある畜産物

愛媛県で人気のある畜産物

愛媛県では多様な農産物や水産物を生産していますが、畜産物の生産も各地で盛んに行われており、ブランド化されている有名な畜産物もあります。

その中から、愛媛県の人気の畜産物をご紹介しましょう。

絹のようなきめ細かさの「伊予牛 絹の味」

愛媛県を代表するブランド牛として知られるのが、「伊予牛 絹の味」です。

「伊予牛 絹の味」は愛媛県内の経験豊富な13人の指定農家だけが肥育を許可されている高級ブランド牛で、「伊予牛 絹の味」の歴史は古く、日本人が本格的に牛肉を食べるようになった明治時代には肥育が始まっていたと言われています。

「伊予牛 絹の味」を名乗るには肉質等級4級以上といった選定基準をクリアする必要があり、さらに「家畜個体識別システム」によって育った場所から食卓に届くまでの過程を
消費者が辿れるようになっているなど、トレーサビリティもしっかりしています。

独自の飼育法によって長年の歳月をかけて育てられる「伊予牛 絹の味」は「絹の味」という名の通り、絹のような繊細なきめ細かさがあり、高級牛肉特有の上品でまろやかな舌触りを感じることができます。

4種の鶏のいいとこ取り「媛っこ地鶏」

愛媛県の知る人ぞ知るブランド地鶏として、注目を集めているのが「媛っこ地鶏」です。

「媛っこ地鶏」は、「名古屋種」「愛媛系ロードアイランドレッド」といった優良な4種の鶏を交配させた全国でも珍しい四元交配の地鶏で、平成15年に公募により「媛っこ地鶏」という名称に決定し、平成18年には愛媛県のブランド産品に認定されました。

愛媛県養鶏研究所が長年の開発の末、完成した「媛っこ地鶏」は、一般的な地鶏よりも柔らかくジューシーで、適度な噛み応えと濃厚な旨味を楽しむことができます。

「媛っこ地鶏」は部位によって様々な食べ方を楽しむことができますが、地元の飲食店では「媛っこ地鶏」を使った鍋料理が特に人気が高く、他にもお店では「媛っこ地鶏」の鶏ガラで作られた出汁を使ったこだわりの料理を食べることもできます。

愛媛が誇る最高級豚肉「愛媛甘とろ豚」

愛媛県は中国・四国地方の中で最も養豚が盛んな県として知られ、様々なブランド豚を展開していますが、中でも愛媛が誇る最高級のブランド豚として有名なのが「愛媛甘とろ豚」です。

「愛媛甘とろ豚」は愛媛県畜産研究センターが国内最高級品質の肉質を追求して開発をした豚で、希少価値の高い「中ヨークシャー」など3つの血統をかけ合わせ、5年がかりで開発しました。

飼料には愛媛県が生産量日本一を誇る愛媛県産裸麦を配合、さらにサシを入れるため低リジンの、こだわりの飼料を与えられて育った「愛媛甘とろ豚」はオレイン酸が豊富です。食べると旨味と甘みが広がり、臭みがなく、ジューシーで柔らかな肉質に仕上がり、とろけるような口どけを楽しむことができます。

「伊予牛 絹の味」「媛っこ地鶏」「愛媛甘とろ豚」のような県のブランド産品に認定されているような優れた畜産物を全国の飲食店に販路開拓していくには、厳選したお肉をセレクトして使用しているような格式高いお店をターゲットに売り込んでいくといいでしょう。

まとめ

愛媛県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには

①古くから生産の実績があることや恵まれた栽培環境で育てていることをアピールして認知度アップを図る

②全国の旬な食材を頻繁に仕入れている飲食店にターゲットを絞って売り込んでいく

この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。

愛媛県は柑橘類を中心に既に全国的に定着している食材が数多くありますが、地元民にしか知られていない隠れた名産品も多く存在し、認知度が低い食材でも適切なPR次第で全国的に広まる可能性を秘めています。

愛媛県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に積極的に提案し、販路を開拓していきましょう。

監修者

アートアンドヘルスケア株式会社 代表取締役 森下浩隆(もりしたひろたか)

アートアンドヘルスケア株式会社

代表取締役 森下もりした浩隆ひろたか-Morishita Hirotaka-

『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
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