長野県の特産物を売り込む!信州の豊かな自然が育む戸隠大根からシナノレッドまで!

長野県の食材を日本全国の飲食店へ売り込むには

8つの県に囲まれた内陸県である長野県は、「信州そば」「おやき」「五平餅」といった伝統的な郷土料理が存在し、古くから魅力的な食文化のある地として知られています。

そんな長野県では標高の高さを生かして作られる農産物、河川や湖沼で獲れる水産物、山々に囲まれた大自然で育てられている畜産物など、多様な食材に溢れており、他の地域には無い珍しい食材もあります。

そんな長野県の食材を取り扱っており、これまで縁のなかった地域の飲食店に売り込んでいきたい場合、どうすれば新規顧客を獲得できるのでしょうか。

それでは、まだ長野県の食材を販売したことのない地域での、新規開拓のための特産物の例を見ていきましょう。

長野県で有名な野菜とは?

長野県で有名な野菜とは?

長野県は全国で4番目に広い面積を持ち、広大な自然環境に加えて地域によって異なる気候風土を生かし、様々な品種の野菜が生産されています。

その中から、長野県を代表する有名な野菜をご紹介しましょう。

信州が誇る伝統野菜「戸隠大根」

信州地方には数多くの伝統野菜がありますが、中でも信州そばの薬味として使用されている
特産野菜として有名なのが「戸隠大根」です。

「戸隠大根」は長野市戸隠地区で生産されている下膨れした円筒形の短めなだいこんで、別名「戸隠おろし」と呼ばれることもあります。

「戸隠大根」は江戸時代に麻の交易をしていた商人が戸隠に持ち込んだのが最初だとされています。その後は自家採種によって長年栽培が続けられたことで特性にばらつきが出るようになったため、伝統野菜を承継していくために品種改良を重ね、2002年に本来の特性を持つ品種が完成し、正式にブランド展開が始まりました。

「戸隠大根」は「辛みだいこん」と言われているほど強い辛味があり、そばの薬味として使う以外にも近年では「戸隠大根」で作る「たくあん漬け」も人気が高く、漬けることで辛味に加えてほのかな甘みも加わり、さらに歯ごたえの良い食感も楽しむことができます。

花茎まで美味しい「赤石紅にんにく」

長野県ではシェア率は低いものの、様々な品種のにんにくを生産しており、その中でも信州の伝統野菜に選定されており、長野県の由緒あるにんにくとして知られるのが「赤石紅(あかいしくれない)にんにく」です。

「赤石紅にんにく」は長野県下伊那郡喬木村で生産されている、赤紫色の外皮が特徴のにんにくで、やや小ぶりのサイズが特徴です。

富田地区では大正時代末期からにんにくの栽培が行われており、代々受け継がれて来たものの、近年は生産数が減少し、伝統的な富田地区のにんにくを次世代に継承していくために、2014年より「赤石紅にんにく」と命名し、本格的に振興の取組みが始まりました。

「赤石紅にんにく」は濃厚な風味と強い辛味を持っており、すりおろしにしてもまるごと揚げても美味しいにんにくです。さらに、鱗茎だけでなく花茎も食べられることから、地元では花茎を使った油炒めが名物料理となっています。

辛味と甘味のバランスが絶妙の「ぼたんこしょう」

長野県では古くから唐辛子の生産が盛んであり、8種類の唐辛子が伝統野菜に認定されていますが、その内の一つが「ぼたんこしょう」です。

「ぼたんこしょう」は中野市永田西組地区や信濃町で栽培されているピーマンのような形をした唐辛子です。長野県では唐辛子のことを「なんばん」や「こしょう」と呼んでおり、「ぼたんこしょう」の「ぼたん」は果実の先端が牡丹の花のように見えることから名付けられたと言われています。

唐辛子は品種によっては冷涼な気候の栽培地でなければ辛味が強く出ないと言われていますが、「ぼたんこしょう」の主な生産地である永田西組地区は標高が1000m近くあり、さらに「ぼたんこしょう」は冷涼な気候を好む品種であることから、辛みを持った唐辛子を安定して栽培することができます。

「ぼたんこしょう」は辛味成分がしっかりと入っていますが、果実の甘味もあるので、辛味と甘味の絶妙なバランスを楽しむことができ、地元では古くから伝わる郷土料理の「やたら」と呼ばれる野菜や漬物を細かく刻んだふりかけのような料理によく使われています。

「戸隠大根」「赤石紅にんにく」「ぼたんこしょう」のような個性豊かな特産野菜を扱っており、全国の飲食店に売り込んでいくには、安全性の高い国産食材を中心に使用している健康志向の飲食店や、全国各地の希少性の高い野菜に興味がありそうな日本料理店などをターゲットに売り込んでいきましょう。

売り込む際には、食材の品質の高さや美味しく育つ理由などを地域の風土や食文化などを伝えながらアピールしていくことで、興味を持ってもらえることでしょう。

長野県で今注目の果物とは?

長野県で今注目の果物とは?

長野県は昼夜の寒暖差が激しい地域が多いことから、美味しい果物が育ちやすい環境にあり、フルーツ王国と呼ばれることもあるほど多種多様な果物が生産されています。

その中から、今注目の長野県産の果物をご紹介します。

長野県注目の新ブランドフルーツ「クイーンルージュ」

近年誕生した、長野県のオリジナルブランドフルーツとして高い注目を集めているのが「クイーンルージュ」です。

「クイーンルージュ」は長野県果樹試験場が開発した皮ごと食べられる品種のぶどうで、高級ぶどうとして有名な「シャインマスカット」と細長い実が特徴の「ユニコーン」という品種を交配・育成して完成し、現在北信地区を中心に栽培されています。

「クイーンルージュ」は2019年に品種登録され、2021年より本格的に出荷がスタートしたデビューしたばかりの品種で、シャインマスカットに続く高級ぶどうブランドとして期待が寄せられています。

「クイーンルージュ」は糖度が平均20度から21度と一般的な高級ブドウと同等かそれ以上あり、ジューシーな甘味とマスカットのような爽やかな香りを楽しむことができます。

長野県で生まれた早生種りんご「シナノレッド」

長野県はりんごの栽培に適した自然条件がある地域が多いことから、りんごの生産が盛んに行われており、中でも長野県で生まれた品種として有名なのが「シナノレッド」です。

「シナノレッド」は長野県果樹試験場が「つがる」と「ビスタベラ」という品種のりんごを交配して開発した品種で、1997年12月に品種登録されました。

「シナノレッド」は8月中旬から下旬にかけて成熟する早生種で、完熟すると名前の通り、果皮が真っ赤になります。

「シナノレッド」は果汁の量が一般的なりんごよりも多く、ジューシーさが楽しめます。また、甘味と酸味のバランス、歯当たりの良さも人気の秘密です。

生で食べても美味しい「信州サワー」

長野県はあんずの生産量が青森県に次いで第2位となっており、県内では様々な品種のあんずが生産されていますが、その中でも特に注目したい品種が、長野県で生まれた「信州サワー」です。

「信州サワー」は長野県果樹試験場が「信陽」と「L-62(山形3号×チルトン)」という品種を掛け合わせて作出したオリジナル品種で、2008年に品種登録されました。

生食用の「信州サワー」は毎年6月下旬から7月上旬の10日ほどしか出荷されず、さらに日持ちもしないため、1年の内でも限られた期間にだけ楽しめる幻の果物としても知られています。

あんずは酸味が強い果物のため、生食用よりもジャムやシロップ漬けなどの加工品に使われることが多いですが、「信州サワー」は糖度が高めで酸味もやや少ないことから、生でも美味しく食べることが可能です。

「クイーンルージュ」「シナノレッド」「信州サワー」のような長野県が誇るこだわりの果物は季節感のあるフルーツメニューを提供している全国各地のホテルのレストランや高級レストラン、フルーツパーラーなどをターゲットにして売り込んでいくといいでしょう。

売り込む際には、長野県が果物の栽培に恵まれた環境下にあることや、品質基準を徹底しており、安全性にも配慮していることなど、相手が興味を引きそうな情報を織り交ぜながら、食材の魅力をアピールしていきましょう。

長野県のご当地水産物

長野県のご当地水産物

内陸県である長野県では河川や湖で内水面漁業が盛んに行われており、さらに豊かな資源を生かして養殖業も活発に行われています。

そんな長野県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。

長野県を代表するブランド水産物「シナノユキマス」

長野県には全国的にも認知度の高いブランド水産物がいくつかありますが、中でも有名なのが「シナノユキマス」です。

「シナノユキマス」はポーランド原産のサケ科の魚で、長野県には1975年に旧チェコスロバキアから養殖目的で20万粒の卵が輸入され、その後、長野県が同魚では世界で初めて卵から親魚までの完全養殖技術の開発に成功し、1983年に「シナノユキマス」という名前で出荷がスタートします。

また、1987年には漁業権が設定されたことで立岩湖、柳久保池、青木湖、松原湖、白樺湖などの池や湖に「シナノユキマス」が放流されるようになり、増殖放流種苗として利用されています。

「シナノユキマス」は淡水魚特有の生臭さが無いのが特徴で、適度に脂が乗った身は淡白な味わいで食べやすく、さらに小骨が少ないことから刺身や揚げ物にしても美味しく食べることができます。

注目の新ブランド魚「信州大王イワナ」

近年登場した長野県のブランド魚の中でも、一際高い注目を集めているのが「信州大王イワナ」です。

「信州大王イワナ」は長野県水産試験場が開発したオリジナルブランド魚で、2016年から出荷されています。

主に河川の最上流に生息し、「渓流の王者」と呼ばれるイワナは成長すると成熟にエネルギーを使うようになり、品質が低下してしまうという課題があったことから、成長しても卵を持たない「全雌三倍体」のイワナの研究を進め、開発に成功しました。

「信州大王イワナ」は産卵期でも成長が鈍ることがないため、通常のイワナよりも倍以上の大きさに成長するのが特徴です。クセのない味わいで、刺身や寿司、カルパッチョ等の素材の、イワナの味を生かした食べ方が特におすすめとなっています。

郷土料理にも使われる食用鯉「佐久鯉」

長野県の佐久地域では古くから鯉の養殖が盛んに行われており、その中でも近年、ブランド化されて注目を集めているのが「佐久鯉」です。

「佐久鯉」は日本在来種の「野鯉」とドイツで食用のために改良された「ドイツ鯉」との交配によって生まれた鯉で、主に長野県佐久市にある専用の養殖池で生産されており、2008年に商標登録され、ブランド展開が始まりました。

佐久の気候は昼夜の寒暖差が大きく、千曲川の清流といくつか水源のある伏流水の恵みによって養殖に適した環境があり、全国でも有数の食用養殖鯉の生産地として広く知られるようになりました。

「佐久鯉」は水温の低い流水で3年から4年かけてゆっくりと成長していくため、淡水魚特有の臭みがなく、引き締まった身には旨味が凝縮されており、塩焼きを始め、鯉の身を筒切りにして煮込んだ長野の郷土料理である「鯉こく」など幅広い料理に活用することができます。

「シナノユキマス」「信州大王イワナ」「佐久鯉」のような長野県こだわりのブランド水産物で全国の飲食店に販路開拓していきたい場合、長野県の水産物は他の地域では見かけないような希少性の高い魚類が多いことから、全国の珍しい魚類を仕入れている海鮮居酒屋や寿司店などに向けて売り込んでいきましょう。

売り込む際には、他県のブランド水産物と異なる特長や食材を使った郷土料理の紹介、安全性のこだわりなどを丁寧に説明していくといいでしょう。

長野県で人気のある畜産物

長野県で人気のある畜産物

信州に広がる山中では牛や豚などの様々な家畜が放牧されており、ブランド化しているものも数多くあります。

その中から、長野県で人気の畜産物をご紹介しましょう。

信州ならではの特別な銘柄牛「りんご和牛信州牛」

りんごが名産品となっている信州ならではのブランド畜産物として人気を集めているのが「りんご和牛信州牛」です。

「りんご和牛信州牛」は信州の生産農家によって生産している和牛で、平成21年よりブランド展開しています。

「りんご和牛信州牛」は名前の通り、飼料にリンゴジュースを絞った後に出るリンゴ滓を配合した特別な飼料を与えているのが特徴で、その他にもオカラや酒粕などといった地域の食品産業から出た副産物を発酵処理したエコフィードも与えるなど、地域のリソースを活用し廃棄物を減らしています。

地元の自然な食材を配合した飼料を食べて育ったことから脂肪に独特の高い香りを持っており、一般的な牛肉よりもオレイン酸やリノール酸の割合が高いこと、肉に含まれる旨味が損なわれにくく、さらに甘味を左右する物質であるブローリン酸も豊富に含まれているので脂の甘味までしっかりと感じることができます。

歯ごたえ、うま味、風味の三拍子が揃った「信州黄金シャモ」

長野県のオリジナル畜産物の中でも、人気上昇中のブランド地鶏が「信州黄金シャモ」です。

「信州黄金シャモ」は長野県畜産試験場が生み出したオリジナル地鶏で、歯ごたえがあり、美味しさに定評のある「シャモ」と、コクのある「名古屋種」を掛け合わせ、4年もの歳月をかけて開発しました。

「信州黄金シャモ」は「歯ごたえ、うま味、風味」の三拍子が揃った鶏肉本来の美味しさを存分に感じることができる地鶏で、ジューシーな味わいながらも脂肪分が少ないので低カロリーとなっており、サラダなどのヘルシーな料理にも適しています。

「信州黄金シャモ」は平成27年に開催した第11回地鶏・銘柄鶏食味コンテストでグランドチャンピオンに輝くなど、業界からも高く評価されており、近年では関西や首都圏の飲食店でも高級地鶏としてメニューに使われています。

長野県の幻の銘柄豚「北信州みゆきポーク」

長野県にはいくつかの銘柄豚がありますが、中でも生産数が少なく、幻の銘柄豚と言われているのが飯山市内で生産されている「北信州みゆきポーク」です。

「北信州みゆきポーク」はランドレース種と大ヨークシャー種を交配して生まれたメスの子にデュロック種のオスを交配した三元豚で、1997年にブランド化を果たし、飯山市の特産物として親しまれています。

「北信州みゆきポーク」は最盛期には7軒の養豚農家が生産していましたが、現在は2軒にまで減少し、需要に対して供給が追いつかない状況が続いていまず。「JAながの」では養豚経営者を新たに募集するなど、生産基盤の再構築を目指して取り組みが行われていますが、その分、稀少な豚肉であるといえます。

「北信州みゆきポーク」は柔らかな肉質と脂の甘みが絶品の美味しさと評判となっており、生姜焼きやかつ丼などの定番料理とも相性が良く、さらに生ハムなどの加工品も販売されており、人気を集めています。

「りんご和牛信州牛」「信州黄金シャモ」「北信州みゆきポーク」のような長野県の畜産物を扱っており、関東や関西地区に向けて売り込んでいきたい場合、長野県産の畜産物に興味がありそうな肉割烹や、国産の肉にこだわったハンバーガーやチキンなどを販売するレストランなどをターゲットに売り込んでいくことで成果を生み出せることでしょう。

売り込んで行く際には、飼育風景や与えている飼料の紹介、レシピの提案など、食材の魅力を積極的にアプローチしていくといいでしょう。

まとめ

長野県まとめ

長野県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには

①健康志向の飲食店や全国各地の希少性の高い食材に興味がありそうな飲食店などをターゲットに売り込んで行く

②食材の魅力や特徴だけでなく、安全性も同時にアピールしていく

この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。

長野県は自然の恵みを生かして作られる特産物が充実しているので、まだ認知度の低い食材も、品質の高さや安全性が広まることで、今後、全国区へ拡大していけるポテンシャルを秘めています。

長野県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうためには、まずは認知度UPを図ることからスタートし、販路開拓していきましょう。

監修者

アートアンドヘルスケア株式会社 代表取締役 森下浩隆(もりしたひろたか)

アートアンドヘルスケア株式会社

代表取締役 森下もりした浩隆ひろたか-Morishita Hirotaka-

『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
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