青島温州みかんからTEA豚まで!こだわりの逸品が目白押しの静岡県の特産物
本州中部の太平洋沿岸に位置する静岡県は、多様な食材が生まれる土地として知られており、温暖な気候を生かして生産されるみかんや、名産品として知られている静岡茶など全国的に有名な特産物が充実しています。
また、静岡県では沿岸域ではシラスやサクラエビ、伊豆近海ではキンメダイやムツといった水産物の漁獲が盛んに行われており、養殖業も様々な地域で行われています。さらに畜産業も盛んで、銘柄牛や銘柄豚の開発やブランド化が進んでいます。
静岡県には全国的に有名な特産品が沢山ある一方で、認知度が低いものの、今後人気を呼びそうな魅力的な食材も数多くあります。そのような静岡県の食材を取り扱っており、全国の飲食店などに向けて新規開拓していきたい場合、どのようにして売り込んでいけばいいのでしょうか。
それでは、これまで販売したことのない地域での特産品の新規開拓について考えていきましょう。
静岡県で有名な野菜とは?
年間の平均気温が15度〜16度と比較的温暖な静岡県では、恵まれた気候を生かして多種多様な農作物の栽培が行われており、例えばわさびの生産量は全国1位を誇ります。
その中から、静岡県を代表する有名な野菜をご紹介します。
徳川家康も好んだ「あさはた蓮根」
静岡県にゆかりの深い徳川家康が好んで食べていたという逸話があることで知られている食材が、静岡県特産野菜の「あさはた蓮根」です。
「あさはた蓮根」は静岡市葵区の龍爪山の麓に広がる麻機地区で栽培されているれんこんで、全国や海外に誇りうる価値や特長等を備えた商品を認定する「しずおか食セレクション」にも認定されています。
「あさはた蓮根」は安倍川の水を引き、100年以上かけて蓄積されてきた栄養分の豊富な土壌で栽培されているのが特長で、毎年10月から3月にかけて出荷されています。
代々恵まれた環境で育った「あさはた蓮根」はよく糸を引き、また、歯ごたえの良さが特徴です。れんこんそのものに旨味があるので、れんこんステーキのようなシンプルな料理にも適しているほか、きんぴらや煮物などの料理にも相性が抜群です。
伊豆天城で育てられる上質なわさび「伊豆天城産わさび」
静岡県は日本のわさび発祥の県として知られ、400年以上前からわさびの栽培が盛んに行われています。現在も様々な地域でわさびの栽培が行われていますが、その中でも特に高い評価を得ているのが「伊豆天城産わさび」です。
「伊豆天城産わさび」は豊かな自然が多く残る伊豆天城連山で生産されているわさびです。
上質なわさびを育てるには豊富で清らかな湧き水があり、森林が多い場所で、夏は水温が冷たく、冬は気候が温暖という条件の場所が適しています。伊豆天城連山はこれらの条件に当てはまる環境があり、伊豆天城山系である奥山川の源流から湧き出る岩清水によって、良質なわさびが育ちます。
「伊豆天城産わさび」は辛味だけでなく、自然な甘味も感じられ、奥深い味わいを堪能することができ、生わさび以外にも「わさび漬」や「わさび味噌」といった加工品も展開されています。
地元名産を肥料に使用した「浜名湖クレソン」
浜松市では様々な品種の野菜を生産していますが中でも近年、浜松産のオリジナルブランド野菜として注目されているのが「浜名湖クレソン」です。クレソンは辛味や苦味のある野菜で、お肉の付け合わせやサラダによく使われます。
「浜名湖クレソン」は浜松市内にある新菜園によって栽培されているブランド野菜です。
クレソンは水辺の植物なので水耕栽培で育てることも可能ですが、「浜名湖クレソン」は美味しく育てるための土耕栽培にこだわっており、肥料にはカルシウム補給のため、浜名湖の人気特産物である浜名湖産牡蠣の殻を粉末にした特別な肥料を施肥しています。
「浜名湖クレソン」はピリっとした辛味と爽やかな味わい、シャキッとした食感を楽しむことができ、サラダ向けの品種となっていますが、アクセントとして肉料理の添え物など、様々な料理に活用できます。
「あさはた蓮根」「伊豆天城産わさび」「浜名湖クレソン」のような都心部ではあまり見かけない、こだわりの静岡県産の野菜を全国の飲食店に向けて売り込んでいくには、野菜中心の料理を提供するレストランや国内産にこだわっているレストランなどにターゲットを絞るのもひとつの手です。また、静岡県は恵まれた自然環境を生かして栽培される野菜が多く、美味しく育つことをアピールし、こだわりの栽培方法や食材の特長、安全性など、信頼性が高まるような情報を伝えていくといいでしょう。
静岡県で今注目の果物とは?
静岡県はみかんを始めとする様々な果物が栽培されており、静岡県で誕生したオリジナル品種の果物も充実しています。
その中から、今注目の静岡県産の果物をご紹介します。
糖度17度の高糖度キウイ「レインボーレッド」
静岡県は日本で初めてキウイの栽培を始めた県として知られています。現在も幅広い品種のキウイが生産されていますが、中でも静岡県で誕生した品種として注目したいのが「レインボーレッド」です。
「レインボーレッド」は中国系のキウイフルーツの種子から選抜・育成し、静岡県富士市で誕生した品種です。
「レインボーレッド」の最大の特長が、中心部が鮮やかな赤色になることと糖度の高さです。一般的な品種のキウイの糖度は平均12度ほどですが、「レインボーレッド」は17度前後と高糖度で、完熟すると20度を超えることもあります。
「レインボーレッド」はキウイ特有の酸味が少なく、マイルドな甘さを堪能することができます。そのままで食べるのはもちろんのこと、果肉の色が鮮やかなのでケーキやスイーツのデコレーションとして使うのもおすすめです。
静岡県を代表するみかん「青島温州みかん」
静岡県は全国有数のみかんの一大産地がある県として有名ですが、静岡県で栽培されているみかんの中でも代表品種として高い人気を誇るのが「青島温州みかん」です。
「青島温州みかん」は尾張系温州の枝変わりとして静岡県で発見された品種で、11月下旬頃から収穫が始まる晩生みかんとなっており、翌年3月頃まで出荷されます。
「青島温州みかん」は、晩生種なので元々糖度が高めですが、貯蔵することでさらに甘みが増します。
濃厚な甘味と適度な酸味のバランスが良く、さらに果肉はジューシーでコクある味わいを堪能でき、フレッシュジュースにしても絶品の美味しさです。
スイーツのような甘味のきんかん「こん太」
静岡県で栽培されている果物の中でも生産量が特に少なく、幻の果物と言われているのが、静岡県清水区を中心に生産されている「こん太」と呼ばれるきんかんです。
静岡県のオリジナル品種である「こん太」は平成2年「ニンポウキンカン」の枝変わりとして発見され、平成14年に品種登録されました。
「こん太」は施設栽培によって徹底した温度管理の下、大切に育てられており、糖度が20度になるまで樹上で完熟させてから出荷されます。
元々皮ごと食べることができるきんかんですが、「こん太」はお菓子のように甘いため、スイーツ感覚で生食するだけではなく、凍らせても美味しく食べることができます。
「レインボーレッド」「青島温州みかん」「こん太」のような注目の静岡県産の果物を全国の飲食店に売り込むには、その時期の旬の果物を積極的にメニューに取り入れる飲食店や、国内産の果物を優先して仕入れているフルーツパーラーなどにターゲットを絞り、一般的な品種よりも優れているポイントやおすすめのメニューの提案など、相手が興味を引きそうな情報を織り交ぜながら、独自の魅力をアピールしていくといいでしょう。
静岡県のご当地水産物
静岡県はキハダマグロの漁獲量が全国1位を誇り、さらにニジマスやマアジの養殖漁獲量も全国1位。日本屈指の水産都市として知られています。さらにまぐろ類の缶詰やかつお節といった水産加工品の生産も全国トップクラスを誇ります。
そんな静岡県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。
国内シェア100%を誇る「駿河湾産 桜えび」
数ある静岡県の水産物の中でも、国産のシェア100%を誇り、静岡県由比町の名物として全国的に有名なのが「駿河湾産 桜えび」です。
体長4cmほどの桜色が印象的な桜えびは、日本のいくつかの地域に生息していますが、 桜えびの漁業許可を受けているのは国内では静岡の駿河湾のみとなっており、国内産の桜えびは全て駿河湾産となっています。
駿河湾で桜えび漁が始まったきっかけは明治時代に漁師がアジの漁を行っていた際に、いつもより水深の深いところへ網を仕掛けていたところ、大量の桜えびがかかり、この発見以降、駿河湾で盛んに桜えび漁が行われるようになったといわれています。
「駿河湾産 桜えび」は小さいながらも旨味が凝縮されており、プリっとしたエビの食感も併せ持っています。「駿河湾産 桜えび」は生のタイプ以外にも釜揚げや素干しのタイプも販売されており、それぞれ異なる味わいや食感を楽しむことができます。
富士の湧水で育まれた「紅富士」
静岡県内で展開しているご当地サーモンの中でも、最高品質のプレミアムなサーモンとして高い評価を得ているのが、富士山西南麓に広がる静岡県富士宮市で養殖されている「紅富士(あかふじ)」です。
「紅富士」は自然豊かな富士山からの湧水によって育てられるニジマスのトラウトサーモンで、2年から3年という長期間をかけてじっくりと育成されています。
ニジマスを育てるには、寒い冬場でもニジマスが活動できる水温の維持が必須だといわれますが、富士の湧水の水温は年間を通して12度とニジマスに適した水温となっており、そのため、安定して品質の良いサーモンを生産することができます。
身の色や形などの厳格な基準をクリアしたものだけが「紅富士」と名乗ることができます。さらに2Kg以上に成長してから出荷されるなど厳格な基準を設けているので、安心して食べることが可能で、きめ細かい肉質と上品な脂が乗り、しっとりとした食感が魅力的な「紅富士」は、刺身を始め、お寿司やカルパッチョなど幅広い料理に活用することが可能です。
御前崎の新名物「波乗り鰆」
静岡県で展開されているブランド水産物の中でも、近年ブランド化された新名物として注目を集めているのが「波乗り鰆(サワラ)」です。
「波乗り鰆」は静岡県御前崎港のブランド水産物で、サワラは春を告げる魚として知られていますが、産地によって旬の時期が異なり、静岡県御前崎港では11月から2月にかけてサワラ漁が行われます。
「波乗り鰆」と名乗るには曳き縄1本釣りで漁獲し、船上にて高鮮度処理したサワラであり、さらに脂肪量が10%以上で、2.5kgから4kgの傷の無い魚体といった厳しい基準を満たしている必要があります。
冬場に水揚げされる「波乗り鰆」は脂乗りが良いことから、地元では刺身で食べられることが多く、もちろん焼いて食べても絶品の美味しさを堪能できます。
「駿河湾産 桜えび」「紅富士」「波乗り鰆」のような静岡県が誇るこだわりの水産物を全国の飲食店に売り込んでいくには、定番から希少種まで幅広い水産物を扱っている海鮮料理店や、全国のブランド水産物を仕入れている寿司店などにターゲットを絞り、生産地の歴史や地元で人気の食べ方など、食材の魅力や価値をアピールし、それに加えて、品質管理や出荷可能時期など飲食店が知りたい情報も織り交ぜながら売り込んでいくことで興味を持ってもらえることでしょう。
静岡県で人気のある畜産物
静岡県は県内の牛や豚といった様々な畜産を古くから生産している実績があり、中でも浜松市は120戸もの畜産農家が点在しており、ブランド畜産物も数多く展開しています。
その中から、静岡県の人気の畜産物をご紹介しましょう。
お手頃価格で味わえる銘柄牛「静岡するが牛」
静岡市内を流れる清流で知られる安倍川・藁科川流域は山に囲まれた自然豊かな環境があり、この地域で育てられている畜産物が、JA静岡市の銘柄牛である「静岡するが牛」です。
「静岡するが牛」は和牛とホルスタイン種を掛け合わせた交雑種で、それぞれの良さをバランス良く受け継いでおり、24か月かけてじっくり成育・肥育しています。
さらに、健康で品質の高い肉牛に育てるために、静岡市を中心に生産された稲藁を与えるなど、飼料にもこだわって育てています。
「静岡するが牛」は交雑牛なので和牛よりも比較的お手頃価格で購入することができます。交雑牛といっても、和牛並みの細かなサシや力強い赤身を持ち合わせており、上質な牛肉を気軽に堪能することができます。
お茶を飲んで育つ唯一の銘柄豚「TEA豚」
静岡県にいくつかある銘柄豚の中でも、緑茶を飲ませて育てている豚として注目を集めているのが「TEA豚(ティートン)」です。
「TEA豚」は清水区にある北川牧場で生産している銘柄豚です。この牧場で育てられている豚は、飲み水に岩清水を用い、給水タンクに緑茶葉を加えたものを与えられています。お茶を与えることでリラックス効果が得られるだけでなく、あっさりした脂身に育ちます。
飼料に茶殻を配合して与えて飼育するのは珍しくないですが、水出し緑茶を与えて育てているのは全国でもこの牧場だけだといわれています。
「TEA豚」は肉質が柔らかく、ほのかな甘みとジューシーな味わいで料理人からも評価が高い豚肉です。さらにハムやベーコンといった加工品も展開されており、贈答品としても人気があります。
静岡を代表するブランド鶏卵「美黄卵」
静岡県ではオリジナルブランドの卵がいくつか展開されていますが、静岡県を代表するブランド卵として高い人気を誇るのが、静岡市葵区足久保にある清水養鶏場のブランド卵「美黄卵(びおうらん)」です。
ここで飼育している鶏には国産魚粉や海草、パプリカ抽出物など一般的な飼料に含まれていない食材を多く配合した特別な飼料を与えており、さらに鶏が健康に育つように栄養やカロリーを考えて月ごとに配合設計も行いながら与えています。
「美黄卵」は盛り上がった黄身と濃厚な味わいが特徴で、直売所では「美黄卵」で作ったシフォンケーキや厚焼き卵といった商品も販売されており、人気を集めています。
「静岡するが牛」「TEA豚」「美黄卵」のような静岡県オリジナルの畜産物を全国の飲食店に売り込んでいく場合、使用する食材にこだわっている飲食店や全国の珍しいブランド畜産物を扱っている飲食店などをターゲットに、飼料のこだわりやおいしく育つ理由など、他の産地には無い魅力をアピールし、さらに加工品も展開している場合は、迅速な料理の提供が重視されるカフェや居酒屋といった飲食店にも売り込んでいくことで、高い成果を生み出せることでしょう。
まとめ
静岡県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには
①食材の特長や魅力に加え、品質管理など飲食店が知りたい情報も織り交ぜながらアピールしていく
②鮮度の良い食材はこだわりの食材を使う飲食店、加工品は居酒屋など食材のタイプによってターゲットを変えて売り込んでいく
この2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。
静岡県は海の幸から山の幸までこだわりの食材が豊かに揃っており、地元でしか知られていないような食材に関しても、食材の魅力を全国に向けてアピールしていくことで、ゆくゆくは全国の飲食店で使ってもらえる機会が増えていくことでしょう。
静岡県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうためには、まずは認知度UPを図ることからスタートし、販路開拓していきましょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
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