多伎いちじくから津田かぶまで!こだわりのオリジナル農産物が充実した島根県の特産物
山陰地方に位置する島根県は、日本海に広く面していることから漁業が盛んな土地で、中国・四国地方の中では漁獲量が最も多い県として知られています。
また、農業も盛んに行われており、山間部では標高差を利用して様々な野菜や果物が栽培されています。
さらに、島根県では和牛などの畜産物も質が高いことで高く評価されており、数多くのブランド畜産物が展開されています。
そのような島根県が誇るこだわりの食材を、全国各地の飲食店で使ってもらうにはどうしたらいいのかを、大阪や東京といった遠方での新規開拓について考えていきましょう。
目次
島根県で有名な野菜とは?
島根県では恵まれた自然環境を生かして栽培される露地野菜から、ビニールハウスで栽培される施設野菜まで様々な種類の野菜を生産しています。
その中から、島根県を代表する有名な野菜をご紹介します。
島根県のオリジナル野菜「あすっこ」
島根県で栽培している野菜の中には県内でのみ栽培されている品種の野菜も多くあり、中でも島根県のオリジナル野菜として有名なのが「あすっこ」です。
「あすっこ」は”ビタミン菜”と”ブロッコリー”を配合させて生まれた野菜で、平成15年に島根県農業技術センターが開発しました。
「島根の明日を目指す野菜」という想いを込めて名付けられた「あすっこ」は県内でのみ栽培されており、栽培が始まった当初は150軒ほどの生産者でしたが、現在は600軒以上の生産者がおり、近年では県外にも出荷されています。
「あすっこ」は苦みやくせがなく、ゆでると甘みが増すことから、シチューや煮込み料理におすすめです。また、茎の部分も食感が良く美味しいため、天ぷらや焼き物にも使うことができます。
江戸時代から続く島根の伝統野菜「津田かぶ」
松江市東部の津田町は古くから野菜の生産が盛んに行われている地域として知られ、中でも津田町の伝統野菜として有名なのが「津田かぶ」です。
「津田かぶ」は津田地区一帯で栽培されている赤カブと呼ばれる赤紫色が特徴的な品種のカブで、「津田かぶ」は江戸時代前期の1600年中頃から津田村(現在の津田町)で栽培されていたかぶをルーツに持ち、江戸時代末期になると立原紋兵衛という人物によって現在の「津田かぶ」の品種に改良されました。
収穫された「津田かぶ」のほとんどは、漬け物に加工されて販売されており、漬物に使われる「津田かぶ」は収穫後に天日にて干す「はで干し」が行われ、段上に干された「津田かぶ」の風景は、津田町の冬の風物詩となっています。
「津田かぶ」は白い緻密な果肉と独特の風味を持ち、浅漬けだけでなく甘酢漬けやぬか漬けにしても美味しく、さらに甘味もあることからサラダに加えてもおいしく食べることができます。
出西地区でしか育たない幻の生姜「出西しょうが」
島根県東部に位置する出雲市斐川町を代表する野菜として有名なのが「出西しょうが」です。
「出西しょうが」は天平5年(733年)、聖武天皇に奏上されたといわれている「出雲国風土記」にも記載されている古い歴史がある生姜です。
昭和後期に生産農家が減少したものの、「出西しょうが」を復活させるために地元の農家の人々によって様々な取り組みが行われ、現在は出雲市斐川町を代表する野菜として親しまれています。
出西地区は斐伊川から来る伏流水と肥沃な土壌があり、恵まれた自然環境の中で育てられる「出西しょうが」は、清々しい香りとピリッとした辛みが特徴で、同様の生姜を他の地域で育てると異なる品質の生姜に育つことから、「出西しょうが」は出西地区でしか育たない幻の生姜とも言われています。
また、斐川町にある道の駅では「出西しょうが」を使った加工品やスイーツの販売も行っており、町おこしとしても一役買っています。
「あすっこ」「津田かぶ」「出西しょうが」のようなこだわりの島根県産食材を扱っており、全国の飲食店に売り込んでいくには島根県の野菜の需要を見込めそうな全国の国産ブランド野菜を多く仕入れている飲食店にターゲットを絞り、食材の品質の高さや栽培時にこだわっていることなどをアピールしながら売り込んでいくといいでしょう。
島根県で今注目の果物とは?
島根県はメロンやシャインマスカットといった高級フルーツの栽培が盛んに行われており、
さらに柿やいちじくの一大生産地がある県としても知られています。
その中から、今注目の島根県産の果物をご紹介します。
とろける甘さのブランド柿「こづち」
島根県の特産品として高い人気を誇るブランドフルーツのひとつに「こづち」があります。
「こづち」は広島県発祥の「西条柿」という品種の渋柿で、四方に溝のある変わった形をした柿です。西条柿は中国地方を中心に様々な地域で生産されていますが、出雲市の平田地区は日本一の西条柿産地として知られており、島根県内で栽培された西条柿は「こづち」という名で出荷されています。
島根県で西条柿の栽培が始まったのは戦国時代だと言われ、毛利氏と尼子氏の覇権争いで知られる毛利氏から伝えられたと言われており、戦国時代には西条柿は貴重な保存食として珍重されていました。
「こづち」は一般の品種の柿よりも糖度が高く、とろけるような甘味があり、主に渋抜きをして販売されていますが、干柿やあんぽ柿としても販売されています。
柿のような甘味と風味を持つ「多伎いちじく」
出雲市の最西端にある多伎町は「蓬莱柿」という品種のいちじくの産地として有名で、多伎町で生産される蓬莱柿は「多伎いちじく」という名称でブランド化されています。
蓬莱柿は江戸時代に中国から伝来した国内最古参品種のいちじくとして知られ、日本で最初に定着したいちじくであることから「日本いちじく」と呼ばれることもあります。
「多伎いちじく」は、ほのかな酸味と柿のような強い甘味と風味があり、皮が柔かいことからまるごと食べることができるのが特徴です。
「多伎いちじく」の食べ頃は収穫してから3日間と非常に短いことから、長年、地元のみで消費されていましたが、輸送技術の向上によって近年では関東の高級スーパーや果物専門店でも販売されることがあり、インターネットでも購入することも可能です。
一度は食べたい島根県の高級フルーツ「ゴールデンパールメロン」
島根県が開発したオリジナルの高級果物として近年、注目を集めているのが「ゴールデンパールメロン」です。
「ゴールデンパールメロン」は島根県でしか栽培されていないオリジナル品種のメロンで、名前の由来は収穫時になると果皮が黄金のような色に変わることにちなんで名付けられました。
「ゴールデンパールメロン」と名乗るには糖度が14度以上という厳しい基準があり、さらに一般的なメロンよりも栽培が難しいことから生産者が非常に少なく、毎年少量しか出荷されないことから幻の黄金メロンと呼ばれることもあります。
「ゴールデンパールメロン」は高級メロン特有のジューシーな果汁やとろけるような食感を堪能することができます。生のメロンは夏の一か月間ほどしか食べることができませんが、「ゴールデンパールメロン」はゼリーやアイス等の加工品も展開されており、こちらは1年を通して食べることが可能です。
「こづち」「多伎いちじく」「ゴールデンパールメロン」のような島根県を代表するこだわりの果物を全国の飲食店で使ってもらうには、島根県の果物に関心がありそうなフルーツパーラーやフルーツフェアを開催することの多い宿泊施設のレストランなどにターゲットを絞り、美味しく育つ理由や一般的な品種との甘さや食感の違いなど、食材の魅力をふんだんにアプローチしていくことで、成果が期待できるでしょう。
島根県のご当地水産物
島根県は沖合域、沿岸域、河川・湖沼などで様々な漁業が行われており、中でもアナゴは全国1位の水揚げ量を誇ります。
そんな島根県が誇るご当地水産物をご紹介しましょう。
トロに匹敵する脂のり「どんちっちアジ」
島根県の西部にある浜田市は日本海に面しており、対馬暖流とリマン寒流が両方の影響を受けることから多くのプランクトンが生息し、暖流と寒流の両方の魚が集まっており、全国屈指の魚の水揚げ量を誇ります。
浜田市で水揚げされる魚の中で、何種類かはブランド化されており、その中でも高い人気を誇るのが「どんちっちアジ」です。
「どんちっちアジ」とは、島根県西部沖で水揚げされたマアジの中から、平均脂質が10%以上、さらにサイズが50g以上のものを選別して認定したものです。一般的なアジの脂は4.5%程度ですが、「どんちっちアジ」は時には脂が15%を超えることもあり、どれほど脂が乗っているかがわかるでしょう。
島根県西部沖には体の半分以上が脂質で構成される「カラヌス」というプランクトンが生息しており、「どんちっちアジ」はそれを餌にしていることから、他の地域で水揚げされるマアジよりも脂質が平均で倍以上という、マグロのトロに匹敵するような脂のりを堪能できるのです。
「どんちっち」のブランドはマアジ以外にも、ノドグロとカレイも展開しており、これら二つの品種にもマアジと同様に厳しい基準が設けられています。
日本一の産地で獲れる絶品シジミ「宍道湖シジミ」
島根県松江市と出雲市にまたがる「宍道湖(しんじこ)」は、海水と淡水が混じり合った汽水湖であることから様々な生物が生息しており、中でも宍道湖を代表する水産物の一つとして親しまれているのが「宍道湖シジミ」です。
シジミにはいくつかの種類が存在しますが、市場に出回る99%以上はヤマトシジミです。ヤマトシジミは宍道湖が漁獲量のシェアの4割を占め、日本一のヤマトシジミの産地として知られています。
宍道湖で漁獲されたヤマトシジミは「宍道湖シジミ」という名でブランド展開をしていますが、宍道湖で獲れたヤマトシジミの全てが名乗れるわけではなく、宍道湖漁業協同組合が定めた厳しい基準をクリアしたものだけが「宍道湖シジミ」として認定されます。
良質のものだけを選別している「宍道湖シジミ」は自然の旨味とぷりっとした肉厚な身を持っています。通常では真空冷凍にして出荷されるので、鮮度を気にすることなく、いつでも美味しい状態で食べることができます。
殻ごと食べられる「もろげえび」
宍道湖ではシジミ以外にもすずきやうなぎなど様々な魚介類が水揚げされており、宍道湖を代表する7種類の魚介類は「宍道湖七珍」と呼ばれています。
その「宍道湖七珍」の一つとして注目を集めているのが「もろげえび」と呼ばれるヨシエビです。
ヨシエビは地域によって呼び名が変わり、「もろげえび」とは松江地方の方言から付けられたと言われており、大阪では「しらさえび」と呼ばれています。
「もろげえび」は癖が少なく、上品な甘みがあるのが特徴で、殻が薄く、背ワタも少ないため、殻やしっぽごと食べることができます。「もろげえび」の唐揚げはプリプリとした身と殻のサクサクとした食感を同時に楽しめることで人気があります。
「どんちっちアジ」「宍道湖シジミ」「もろげえび」のような島根県名物の水産物を扱っている場合、全国の飲食店に売り込む際には、希少な魚介類を提供しているこだわりの居酒屋やブランド水産物に興味を持ってもらえそうな個人経営の寿司屋などをターゲットに絞り込み、島根県の魚介類が美味しい理由をPRしながら積極的に売り込みを行い、さらに獲ったその日に出荷できる場合は、スピード出荷できる体制を整えていることもアピールすると良いでしょう。
島根県で人気のある畜産物
島根県では様々な地域で畜産物の生産が行われており、中でも「しまね和牛」は高級和牛として高く評価されています。
その中から、島根県の人気の畜産物をご紹介しましょう。
奥出雲で生まれた幻の和牛「奥出雲和牛」
黒毛和種の「しまね和牛」の中でも、希少性の高い高級和牛として高い人気を誇るのが「奥出雲和牛」です。
奥出雲は古くから農耕用として牛を飼育していた歴史があり、江戸時代中期以降からは食肉用として和牛の品質改良を行うようになり、奥出雲は3つある和牛の系統の一つである「糸桜系」が誕生した町としても知られています。
「奥出雲和牛」はJA雲南直営牧場で生まれ育った和牛のみが名乗ることができますが、飼育農家が少ないことから、市場に出回ることが少なく、幻の黒毛和牛と呼ばれることもあります。
「奥出雲和牛」はすき焼きやしゃぶしゃぶなど様々な料理に使えますが、中でも人気が高いのが霜降りのサーロインを贅沢に使ったステーキです。サーロインは特にサシが多く入る部位なので、とろけるような食感を堪能することができます。
人気上昇中の島根のブランド豚「まる姫ポーク」
しまね和牛に続く、島根県のブランド畜産物として人気上昇中なのが「江津まる姫ポーク」です。
「江津まる姫ポーク」は江津市にあるマルナガファームで育てられたハイポー種の雌豚です。ハイポー種とはオランダに本社がある育種会社が品種改良して作出した、経済性・品質ともに優れた遺伝子を持つハイブリッド豚で、日本人の好みに合わせて品種改良が続けられている評価の高い豚です。
「江津まる姫ポーク」は、栄養計算を行って設計したオリジナル飼料を与えられ、おが粉を敷いた豚舎でストレスなく育つよう大切に飼育されています。生まれたときから徹底した衛生管理の下で育てられているため、健康で安心安全、ジューシーできめ細かな肉質の豚肉を安定して生産する体制も整っています。
「江津まる姫ポーク」はしゃぶしゃぶや生姜焼きといった定番料理を始め、様々な料理と相性が良いだけでなく、ソーセージやベーコンといった加工品も展開されており、贈答品としても人気があります。
大江高山のふもとで育てられた銘柄鶏「銀山赤どり」
島根県のほぼ中央に位置する大田市の地鶏として人気を集めているのが「銀山赤どり」です。
「銀山赤どり」は、大田市のシンボルとなっている大江高山のふもとで育てられている地鶏で、豊かな自然の中で通常「若鶏」として流通しているブロイラーの、倍以上の飼育日数をかけて大切に飼育されています。
「銀山赤どり」は抗生物質やホルモン剤を使用しない完全無投薬で飼育されています。さらに、鶏特有の臭みを少なくする効果が期待できるオリジナルの発酵飼料を与えているなど、徹底した衛生管理・品質管理の下で育てられています。
のびのびと健康に育った「銀山赤どり」はクセがなく、鶏肉本来の甘味や旨味を堪能することができ、唐揚げにはもちろんのこと、ローストチキンや香草焼きなどの料理でも美味しく食べることができます。
「奥出雲和牛」「江津まる姫ポーク」「銀山赤どり」のような希少性の高い上質なブランド畜産物を扱っており、今後全国展開していきたい場合、様々な地域のブランド畜産物を仕入れている肉割烹や居酒屋などをターゲットに、飼育風景を紹介しつつ、与えている飼料や健康に飼育するために行っている取り組みなどを紹介しながら、食材の美味しさを伝えていくと良いでしょう。
まとめ
島根県の食材を日本全国の飲食店へ売り込んでいくには以下の2つのポイントを参考にして、ぜひ実践してみてください。
① 飼育の際に行っている取り組みや他の品種との違いなど、食材の魅力を伝えながら売り込んでいく。
② 遠方の地域にも迅速に発送できることをアピールする。
島根県は飼料や飼育方法にこだわった安全性の高い食材が多くあり、地元以外で認知度が低い食材に関しても魅力をアピールしていくことで流通拡大を図れる可能性を秘めています。
島根県が誇るこだわりの食材を全国の飲食店に使ってもらうためには、まずは認知度UPを図ることからスタートし、販路開拓していきましょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。