「脱プラスチック時代」に対応するエコパッケージの提案
プラスチック資源循環促進法案が2021年3月に閣議決定され、2022年施行される見込みです。
プラスチック製のストローやフォークなどを、大量に提供する事業者は削減への取り組みを求められることになります。
この法案以外にも、2021年1月にはバーゼル法が改正になり、使用済みプラスチックの輸出が厳格化されました。
飲食店や小売店だけでなく、メーカーや排出事業者にも幅広くプラスチック資源の循環を促すもので、各企業に対応が求められます。
本稿では、目まぐるしく変わる日本の廃プラスチック削減の動きに、どのように対応していけばよいのかを紹介します。
目次
止まらない「脱プラスチック」への流れ
ここ数年、大手カフェチェーン店がストローを紙製のものに変更したり、大手菓子メーカーがパッケージに使用する素材を紙に切り替えたり、大手コンビニエンスストアが紙製の弁当容器を採用するといったニュースが増えています。
鼻にストローを詰まらせた、痛々しいウミガメの画像がSNSで拡散されたことを契機に、プラスチックごみによる環境破壊を防ぐ施策が進められるようになりました。
各企業がエコ容器や、環境に配慮したパッケージに対応するには、事前の準備やコスト増などの問題があります。
しかし、パッケージ等を「脱プラスチック」にすることで、メリットも数多くある。
ここに、新たなビジネスを切り拓くチャンスがあります。
広がりを見せるSDGsへの対応と合わせ、急速に意識の変革を求められる状況に、手を差し伸べることが、新たなビジネスになるのです。
プラスチック生産量・使用量が上位の日本
これまで、耐久性のあるものが低コストで大量生産が可能なことから、膨大な量のプラスチックを世界中で生産していました。
しかし、近年ではその欠点を取り上げられるようになり、脱プラスチックの流れが続いています。
日本では、2030年には使い捨てプラスチックを25%削減する目標が掲げられ、そもそもプラスチックの欠点とはなにかを捉えることが、問題を解決するためにも必要だといえます。
日本はプラスチック生産量が全世界で第3位、使用量は第2位と、社会自体がプラスチックに頼っており、国際的な責任を持たねばならない立場だということがわかります。
こうした問題に企業としていち早く対応することは、顧客へのイメージ戦略のひとつにもなります。
法令対象外の素材に注目
プラスチックごみ問題や地球温暖化といった、環境問題解決の一歩として、昨年7月にはレジ袋が有料化されました。
プラスチックごみ全体の中に占める、レジ袋の割合はたった2%ということもあり、その成果の程にはさまざまな意見がありますが、レジ袋辞退率は70%程にもなり、一定の効果を見せています。
その一方で法令の対象外となる素材である、バイオマスプラスチックや、海洋分解性プラスチックを使用したレジ袋が登場し、様々な業種から注目されています。
こうした数多くの素材をきちんと押さえることで、顧客への提案がしやすくなります。
プラスチックを使わない素材を使用しているのは、レジ袋や食品のパッケージだけにとどまりません。
続々と新たな素材が生まれているだけでなく、プラスチックごみをいかにアップサイクルするかにも関心が集まっています。
顧客に新しい素材を提案するだけでなく、アップサイクルのアイディアをもたらすことも、顧客との繋がりを強めるものとなるでしょう。
ミレニアル世代が牽引するSDGs
昨今聞かれるようになったSDGsに関する取り組みは、これからの次世代を生きるミレニアル世代や、その下に当たるZ世代にとっては、見逃すことの出来ない事柄となっています。
ミレニアル世代は勤勉ではないといわれていますが、気候変動や温暖化といった社会問題に関心を持ち、自然環境に関わる取り組みにも関心が高いといえます。
さらに、環境保護のために進んでライフスタイルを変更するか、という問いに対し、80%近くが「変更する」と回答しています。
こうした世代が将来の自然環境を保護するために社会の仕組みを作るようになるのは、まもなくのことだといえます。
彼らの注目を集める、エコフレンドリーな素材の開発や、サスティナブルなパッケージ作りは急務といえるでしょう。
エコパッケージがビジネスチャンスを拡大する
パッケージが必要とする基本的な機能はそのままに、エコの3R(リデュース、リユース、リサイクル)を考慮したものをエコパッケージと呼びます。
エコパッケージを選択することは、SDGsを考慮した上でも、企業のスタンダードになりつつあります。
環境保全に繋がることから、企業イメージが向上し、リスク回避にも繋がります。
エコパッケージを提案出来る業種はまだまだ存在するといえ、新素材を使ったパッケージの提案は新たなビジネスを生むといえます。
素材別・エコパッケージの提案の仕方
しかしながら、すべての環境問題を解決することの出来るエコパッケージは存在しません。
実際にエコパッケージを提案するときは「なぜ環境に良いのか」をしっかりと理解した上で提案することが必要になります。
エコパッケージのメリットやデメリットも、取引先に説明できる必要があるのです。
素材により、業種に向き不向きがあるので、そこも考慮に入れながら新たなビジネスを展開したいところです。
再生素材のエコパッケージ
サトウキビの残渣から生まれるバガスや、間伐材などの再生素材が代表的なものとしてあげられます。
例えばバガスを使用した製品は、紙皿やスプーン、フォークといったものから、弁当容器など、かなり多様なものが揃います。
エコフレンドリーな使い心地で、消費者にアピールもしやすいといえます。
野外でのイベントなどにも参加している飲食店や小売店、キッチンカーで営業する弁当店や惣菜店など、さまざまな業態に提案が可能です。
植物由来のエコパッケージ
代表的なものとしては、バイオマスプラスチックが挙げられますが、生分解性のものとそうでないものがあるため、提案時に注意が必要です。
バイオマスプラスチックは、大手コンビニチェーンの弁当・サラダ容器や、パック惣菜のパッケージ、大手スーパーのカットフルーツのパッケージなどに使用されています。
食品パッケージからレジ袋やカトラリーなど、さまざまな製品があるので、提案先も考えやすい素材だと言えます。
使い心地も通常のプラスチックと遜色がないといえます。
提案先としては、例えばカフェはどうでしょうか。
大手カフェチェーンがストローを紙製に変えたことをきっかけに、中小のカフェでもストローを紙製に変更しているところが多いです。
しかし、紙製のストローの使い心地について、ユーザーから不満の声が多く聞かれます。
だからといって、結果的にプラスチックのストローに戻すのでは意味がありません。
バイオマスプラスチックであれば、使用感に遜色がないため、提案しやすいのではないでしょうか。
ストローを緒に、テイクアウト容器など、その他の素材の提案も可能でしょう。
どんどん先回りして、新しいものを提案していきましょう。
生分解性のエコパッケージ
最終的には土に還るなど、自然が分解してなくなるタイプ。
現在のところ、土壌、コンポスト、水環境の3種類の製品がありますが、万能な生分解性プラスチックはないため、注意が必要です。
登山、マリンスポーツ、釣りなどのアウトドアシーンでの使用を想定すると、新たな提案方法が見つけやすいでしょう。
アウトドアシーンでユーザーが使用する際、どこで製品を手に入れることになるのか熟考すれば、おのずと提案先が見えてくるといえます。
例えば海の家を運営している企業や、キャンプ場の運営企業など、アウトドアでの飲食を行っている企業への提案が挙げられます。
BtoBプラットフォーム 商談を利用して、業種を絞り込んで検索し、新たな提案先を見つけるのも良いでしょう。
これまで縁のなかった業種への売り込みも、BtoBプラットフォーム 商談を使うことで可能になります。
石から出来ているエコパッケージ
紙とプラスチックの代替品となる素材として、新たにライメックスという素材が開発されています。
これは石灰石から作られた素材で、耐久性と耐水性に優れています。
燃やせるごみとして使用後は処理することが出来ますが、古紙としてリサイクル出来ないのがデメリットです。
レジ袋やゴミ袋として現在使用されていますが、紙として使用できる素材でもあるため、名刺やフライヤーなどの印刷物にも使用できます。
燃やせる食器やマスクケースなどもあり、新たな提案が出来る可能性があります。
個包装になっている菓子のパッケージに利用したり、紙の弁当容器をライメックスに置き換える提案をすれば、新たな顧客を生む可能性もあります。
印刷物を必要としている顧客に提案したり、名刺をライメックスのものにする提案をすれば、営業先の幅も広がるといえます。
リサイクル製品のエコパッケージ
使用済みのプラスチック容器を回収して原料に戻したものを、再びプラスチック容器として再生し、利用しているもの。
スーパーマーケットなどで使用されるフードトレーやフードパックによく使用されています。
現段階では、食品容器などに一番使われている素材だといえます。
最終的にプラスチックごみになってしまうので、他の素材で出来たパッケージを勧めたいところです。
逆に言うと、リサイクル原料のプラスチックを使用している企業には、より環境負荷の少ない製品に変更する提案ができるといえます。
BtoBプラットフォーム 商談を使用して新たな顧客を発掘する
エコな素材についての理解が出来たら、新たな顧客を探してみましょう。
エコなパッケージをまとめた商品カタログを掲載し、Web展示会を行うのもいいでしょう。
素材への理解が進んでいれば、新しい見込企業への提案もスムーズに出来ます。
また、BtoBプラットフォーム 商談でマッチングした見込企業への提案も可能です。
上手にBtoBプラットフォーム 商談を利用することで、営業機会も増えます。
Web商談を使用すれば遠くの企業とも商談をしやすく、新たな契約を結ぶことも出来ます。
商品をひとつ、新たに売ることができれば、その後の展開を考えての営業戦略を練ることが出来るともいえるのです。
さらに、エコフレンドリーな素材を扱っている企業で、商品に詳しいということが、企業への信頼にも繋がります。
企業への信頼感から、別の商品の販売に繋がることもあり、切り口としては非常に重要なものだといえます。
エコパッケージは一時的なコスト増に繋がりますが、適切なエコパッケージを提案することは、自社の製品だけでなく、信頼感を売ることにも繋がっています。
その他「BtoBプラットフォーム 商談」には「備品資材市場」というお安い法人価格で資材購入できるサービスもあります。こちらでエコ資材を入手することもできます。
まとめ
プラスチック製品は安価で大量生産がしやすく、非常に便利なため、生活のいたる所に広がったといえます。
しかし、このままなにも環境対策をしないままでは、2050年には海洋プラスチックごみが、魚の量を上回るといわれています。
自然環境が我々人間に与える影響を考えるのはもちろんですが、止まらない脱プラスチックの流れに背を向ければ、企業として社会的信用を失い、ビジネスパートナーの喪失にも繋がります。
社会の流れに遅れを取らぬよう、パッケージを変更するという小さなことが、後の大きなステップにも繋がると言えるのです。
エコパッケージを導入するのは、一時的にコスト増に繋がるのは事実です。
しかし、環境問題に敏感なミレニアル世代が社会の中心となる時代を迎えるまでに、環境問題に取り組む土壌を企業の中に作っておくことは急務と言えるでしょう。
取引先企業がエコパッケージの導入を検討する際に、基本的な知識を持っておくことも重要だといえます。
数あるエコパッケージの中から、取引先にぴったりとフィットする素材を提案できるよう、新製品の動きにも注目する必要があります。
環境問題やSDGsを身近に感じることは、その第一歩だといえるでしょう。
監修者
アートアンドヘルスケア株式会社
代表取締役
『「いいもの、いい会社」を広める支援することで、世界を一歩前進させる!』という想いで「食品、サプリメント、化粧品等で累計500億の販売してきたノウハウ」を提供しているコンサルタントEC売上4000万を1年半で1億2000万に。【年商3億→年商100億などの実績あり】
集客法、リピート促進法(ファン作り)、また販売のシステム化のアドバイス、実装までを支援してます。